教育福島0177号(1994年(H06)02月)-019page

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重量挙げの指導者として

上原山

 

県前橋市で開催され、私は、二名の生徒を引率して、この大会に参加してきた。

 

去る八月二十五日、第七回全国中学生ウエイトリフティング大会が群馬県前橋市で開催され、私は、二名の生徒を引率して、この大会に参加してきた。

「やったぜ先生!」と、大きな声で叫びながらガッツポーズをとり、喜びを体全体で表すS君。涙を流しながら入賞した感激に震えているT君。二人の喜びの姿を見て、我ながら熱いものが胸にこみあげてきて、日ごろの努力が報われたような何ともいえない感動を覚えた。

中学生になり初めて経験したウエイトリフティングで、二人が入賞した要因として次のことが考えられる。

第一は、生徒の体調や筋肉の疲労度を考慮し、急激な負荷を与えないよう、練習の始めは必ず軽いウエイトを使ってウォーミングアップやフォームのチェックをしてきたこと。

第二は、筋肉の柔軟性を阻害しないようなトレーニング法を講じてきたこと。

第三は、生徒の資質や個性に合ったトレーニングメニューを工夫してきたことである。

しかし、練習は常にスムーズにいくとは限らない。いざ指導にあたってみると、「こんな重い重量は無理だよ。」と愚痴をこぼすあり様だった。そこで、生徒たちが意欲的に練習に取り組めるよう、体裁だけを整え、口先だけの指導による「心ない指導者」ではなく、生徒のよさを認め励ます「援助者」にならなければならないと考えるようになった。

そんなある日、強化合宿を行っていた際に、集中力を高める練習についてT先生より説明を受ける機会があった。その中でT先生は「失敗しても生徒のよいところを褒めること。」を強調されていた。

それまでの私は、達成できそうもない高い目標を生徒に課し、更に失敗したことばかりに目がいき、生徒のよさを見つけようとはしなかった。

それ以降の練習では、できるだけ生徒のよさを見つけては褒めることに心がけてきた。練習していたあるとき、S君が「真剣に練習していれば、必ず挙げることができるのですね。」と目を輝かせてきた。褒められたことを素直に喜び、自分のめあてに向かって練習に取り組む生徒の姿は、私の指導法に自信と勇気を与えてくれた。

技術や記録が日進月歩のスポーツ界ではあるが、単に形や外面を追っての記録優先のトレーニングだけでなく、人間の内面を開拓し、生徒たちのよさや可能性を伸ばせるトレーニングのできる指導者になりたいと思うこのごろである。

(小高町立小高中学校教諭)

 

キャプテンとの出会い

瓜生幸男

 

ードしていたのですが、試合終了直前に同点にされるという壮絶な戦いでした。

 

昨年、サッカーのワールドカップアジア地区最終予戦をテレビで観戦して、大変感動しました。日本チームが、本戦に出場できるか否かを決定する大切な試合でした。その試合は、日本チームが二対一とイラクチームをリードしていたのですが、試合終了直前に同点にされるという壮絶な戦いでした。

試合終了後、不戦出場の夢を断たれた選手たちの泣き崩れる姿に、涙を誘われてしまいました。特に、チームのキャプテンを務め、守備の要、精神的な支えとして活躍した柱谷選手の姿は、とても印象的でした。テレビのサッカー解説者の話では、全日本チームがここまでやってこれたのは、キャプテンである柱谷選手の存在が大きいということでした。

私は、部活動の顧問として、女子ソフトボールチームの活動を指導しています。そして、今年度ほどキャプテンの存在の大きさを実感したことはありませんでした。

顧問が見ていないと、手を抜いた活動になりがちであった本校のチームでしたが、A子がキャプテンになってからは、どんな時でもきちんとした活動ができるようになってきたのです。対外試合においても、部員の奮起を促し、実力以上のプレーを引き出してくれました。また、必死

 

 

 


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