教育福島0177号(1994年(H06)02月)-025page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

平成6年度企画展概要

福島県立美術館

 

展覧会名・会期・出品点数 展覧会概要

 

ルオー版画展
−聖と俗、魂の光−
4月23日(土)〜5月22日(日)
版画など約150点

20世紀を代表する画家で、現代における最大の宗教画家ともいわれるフランスのジョルジュ・ルオー(1871〜1958)は、また独創的な版画家として知られています。独特の輝きを放つ色彩とモノクロームによるその版画表現は、複雑な混合技法を駆使して、油彩画と並ぶほどの強固な質感表現と高い精神性を創造しています。この展覧会では、こうしたルオーの代表的な版画作品を「ユビュ親爺の再生」「サーカス」「悪の華」「ミセレーレ」を含む約150点で紹介します。

河井寛次郎展
6月4日(土)〜7月10日(日)
陶器など約150点

大正末期より、柳宗悦、浜田庄司、バーナード・リーチらとともに民芸運動を推進し、重厚で変化に富む器形や辰砂釉の用法に特色をもった独自の陶芸を創作して国内外で高い評価を得た陶芸家・河井寛次郎(かわいかんじろう1890〜1966)の生涯と芸術をふりかえる展覧会です。京都国立近代美術館や、京都五条坂の河井寛次郎記念館などの所蔵する作品の中から、代表作約150点を展示します。

ルネサンスの絵画展
7月16日(土)〜8月28日(日)
絵画約70点

ヨーロッパの名門ハプスブルグ家の栄光を今に伝える古郡ブダペストのハンガリー国立美術館は、ルネサンス美術以降の近代美術の膨大なコレクションで知られています。この展覧会は、同美術館が所蔵するルネサンス絵画の中から、ジョルジョーネ、ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、デューラー、クラナッハ、アルトドルファー、エル・グレコら、16世紀イタリア、ドイツ、スペインなどの盛期ルネサンスに活躍した巨匠たちの古典的名品約70点を精選して紹介します。

日本画の風景展
9月10日(土)〜10月16日(日)
日本画約120点

風景画は親しみ深いジャンルであり、日本画でも多くの風景画が描かれていますが、その起源は名所絵、山水画、真景図などさまざまな流れがあり、中国や西洋の影響もみられます。この展覧会では、円山応挙、谷文晁ら江戸時代後期の画家から始まり、近代の日本画の基礎を築いた狩野芳崖、富岡鉄斎、横山大観、速見御舟、川合玉堂ら、さらには奥村土牛、東山魁夷、加山又造ら現代の日本画を代表する画家たちまでの風景画の名作約120点を展示し、19世紀から現代にいたる日本画の風景表現の変遷をたどり、さらには日本人の風景観をさぐります。

ニューヨーク・リアリズム
−−過去と現在−−展
11月1日(火)〜12月11日(日)
絵画約100点

ニューヨークは、第二次世界大戦を境としてパリに代わっ て世界の美術の中心地となりました。現代美術が世界的に大きな影響力を持ち続けているニューヨークでは、20世紀初頭よりアメリカ美術のもうひとつの特色である写実−リアリズムの系譜が強力に展開されてきました。この展覧会は、ジョン・スローンなどのアッシュカン・スクール、ベン・シャーン、国吉康雄などのアメリカン・シーンの画家、ポップ・アート、スーパー・リアリズム、そして80年代の新表現主義など、ニューヨーク美術界の主流を形成してきたリアリズムの様々な系譜を紹介します。

没後100年高橋由一展
1月10日(火)〜2月19日(日)
絵画、版画、写真、資料など約120点

高橋由一(たかはしゆいち1828〜1894)は、幕末から明治初期に<かけて、西洋からの新技術であった油絵を独力で追求し、わが国近代絵画に先駆的な役割を果たした画家です。また、近代国家として生まれ変わろうとする明治期の日本の姿を、絵画によって記録した人としても重要です。東北との関わりも深く、栃木・福島・山形三県の県令であった三島通庸によってつくられた栃木から福島を経て山形にいたる東北新道を実地に歩き、油彩画や版画によって記録しました。この展覧会では、近年地道に積み重ねられてきた調査研究の成果を踏まえ、高橋由一の画業をあらためて歴史的に位置づけようとするものです。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。