教育福島0178号(1994年(H06)04月)-014page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

(特別企画)地域ぐるみの道徳教育の推進 −県中地区(平成5年度)道徳教育振興会議−

 

平成五年度福島県道徳教育振興会議が県中地区で開催されました。

この会議は、毎年各教育事務所単位に巡回して開催し、学校・家庭・地域ぐるみの道徳教育を推進させるために実施されているものです。

第七回目に当たる昨年度は、「県民総ぐるみで二十一世紀を担う青少年の心の教育を」をテーマとして、五回の会議を開催しました。

県中地区の各分野で活躍されている二十人の委員の方々から、国際化、情報化、価値観の多様化等の社会に対応する道徳教育の推進について貴重なご意見をいただき、提言としてまとめました。経済の交流等の変化が激しい県中地区ならではの提言の一部を紹介します。

1) 体験を重視した学校における道徳教育

1 全教育活動で行う道徳教育充実のために期待すること

各学校においては、次のような点から検討を加え、道徳教育が一層充実されることを期待したい。

(1) 体験を重視する。緑の木々、青い空、白い雲、澄んだ空気など、自然の美しさを快いと感じたり、優れた芸術作品のよさに感動したりする感性を育むことが道徳教育には重要である。そうした感性は、幼い時から、様々な体験を通して次第に育まれるものであり、道徳性の原点ともいえる。

学校における教育活動全体において、美しい自然や優れた芸術作品等に接する体験活動を積極的に進めるようにする。

○ 美しい自然に触れる活動

○ 自然を大切にする活動

○ 優れた芸術作品に触れる活動

(2) 人とのかかわりを大切にする。

○ 学年の枠をはずした活動の工夫(クラブ活動、遠足、清掃、集会活動など)

○ 地域の人々との触れ合い活動の工夫(祖父母授業参観やクラブ活動等での地域の人材活用など)

○ 異なる文化や習慣を持つ外国の人々との相互理解を深める活動の工夫(ALT等の外国人の活用や帰国子女の経験を学習に生かす活動など)

(3) 地域文化を大切にする。

○ 郷土の歴史や伝統芸能等について理解を深める活動の工夫

○ 地域の文化施設等の活用の工夫(郷土資料館や美術館見学)

2 道徳の時間の充実のために期待すること

道徳の時間は、各教科、特別活動、清掃活動、給食の時間、学校裁量の時間、休憩時間、部活動等全教育活動において行われる道徳教育を補充、深化、統合し、道徳的実践力を育成する時間である。全教育活動において子供の体験を重視しながら、特に、次のような点について、一層の充実を期待したい。

(1) 共に考えようとする構えを大切にする。

(2) 学級の人間関係を大切にする。

(3) 体験と関連の深い資料を整備する。

(4) 体験を生かした指導を工夫する。

 

2) 学校・家庭・地域社会の連携による道徳教育

 

2) 学校・家庭・地域社会の連携による道徳教育

1 学校に期待したいこと

各学校では、校内で努力すべき内容と家庭や地域社会に協力を求める内容を明らかにし、家庭や地域社会と連携を図り、充実した道徳教育を進める必要がある。

次のような点について、一層の充実を期待したい。

(1) 広報・広聴活動を推進する。

学校の道徳教育に関する情報を適切に伝えるとともに、保護者の考え、意見等の聴取ができる方策を確立する必要がある。特に、転出入者の多い学校においては、学校教育について理解と協力を求めるための工夫が望まれる。

○ 保護者向けの道徳教育に関する。パンフレット等の作成・活用

○ 学校・学年・学級だより等の計画的活用

○ 道徳の授業参観及び学級懇談会の実施

○ 地区懇談会の実施

(2) 保護者や地域の人々との連携を図る。

学校の内外を問わず、子供が保護者や地域の人々の活動を見学したり、共に活動したりするなどの体験を通して、子供の人間としての生き方や在り方を学ぶことができる。子供が保護者や地域の人々と

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。