教育福島0179号(1994年(H06)06月)-021page

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N」”不可能を可能に”』と銘打ち、「人間としての在り方生き方」研究のテーマ「広い心・豊かな心・たくましく生きる」に沿ったものとして、生徒たちが積極的に取り組んだ。

今回の文化祭は、地域との交流も重視し、須賀川市で古くから行われている松明あかしを学校の後夜祭に取り入れると同時に、須賀川松明太鼓保存会の役員に特に清陵情報高校のために作曲していただいた『清陵太鼓』の指導をいただき、練習を重ね開祭式と後夜祭で披露した。

そのほか、クラスの展示・出し物においても直接地球環境問題をポスターと写真で問題提起していたクラスや、風力発電、空きカンをスチールとアルミを自動的に判別し、分別する機械を作ったものなど、今この時代にこそ必要と思われるテーマがたくさんみられた。

最後を飾り夜空を焦がした清陵松明も清陵太鼓と同時に生徒たちを感動させた。

 

清陵松明

清陵松明

 

清陵太鼓の練習風景

清陵太鼓の練習風景

 

3)合唱コンクール

クラス対抗「合唱コンクール」を、集団の一員として自覚をもち、クラスの団結を高め一致協力して成功させる力を養い、合唱する楽しさを味わうことを目的として開催した。各クラスごとに課題曲、校歌「宇宙の奥の宇宙まで」と自由曲を生徒の指揮・伴奏で演奏した。

(6) 教科・学科

1)教科

教科では、「在り方生き方」の主領域を取り扱う現代社会や保健体育そして家庭を中心として、全教科で年間を通して取り組んだ。例えば英語科では下記の実践に取り組んだ。

・英語科における実践内容

・一年では「Man, Woman andLanguage」により、言葉に表れた性差と社会における性役割について読ませ、男女がそれぞれの特性を生かして個人としての持てる力が発揮できる、男女分業ではなく男女共生への道を考えさせた。

・二年では「Trees in Dangar」により、酸性雨や乱開発による森林破壊の現状と森林の地球環境に対する役割について読ませ、森林破壊を防ぐにはどうすればよいか、また広く地球環境を守るにはどうすればよいかを考えさせた。

・三年ではCallenbackの「Earth'sTen Commandments」を用いて、地球に生きる人間が地球環境を守るための十の戒めについて読ませ、それについて話し合いを行い、感想文を書かせた。

2)学科

情報電子、電子機械、情報処理、情報会計科の四学科では、職業教育をとおして、これからの技術者としての在り方を指導するかたわら、情報教育指導・資格取得指導・企業見学・外部講師活用事業に重点的に取 り組んだ。中でも資格取得に関しては、目覚ましい成果が現れ、情報処理第二種の国家試験には、前年を大きく上回る二十二名の合格者を出している。

(7) 校務分掌

それぞれの校務分掌でも、直接・間接的に、「在り方生き方」の教育を実践した。特に事務部では、地球委員会と呼応しながら、エネルギーの消費問題やゴミ問題を大きく取り上げ、生徒たちの喚起を促した。

 

七 研究のまとめと今後の課題

(1) 研究のまとめ

初年度(平成四年度)は、生徒の意識調査結果より、研究の座標軸を定めることを検討し、それに見合った組織作りを行い、仮説を設定するなど、主に教師の側での学習を深化させた。二年次(平成五年度)は主に生徒への実践を試みたが、遅々として進まないのが現状であった。それは、人間にとっては『在り方生き方』は永遠の課題であり、明確な解答は出ないという課題そのものの性質に由来するのかも知れない。

二十一世紀に生きる生徒たちが、研究主題である『人間としての在り方生き方』を考える第一歩として、「広い視野を持って」「豊かな心で」「たくましく生きる」ことを考える

 

 

 


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