教育福島0179号(1994年(H06)06月)-034page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
3) 話が少しでも分かったら、分かったことを態度ではっきり示し、自信を与え、話を続けるように仕向けましょう。
4) 話が分からないときは、もう一度話してほしいと言ってください。
3 自主性を伸ばすような配慮を
聴覚障害児は、自分を取り巻く周囲の状況を、音に頼らなかったり、少ない情報から判断しなければなりません。良否の判断の主体が、親や教師にあって、依存的な性格が形成されやすい傾向にあり、学習も受け身になりがちです。ですから、子どもが主体的にやろうとすることは、すぐに批評したり手伝おうとしないで温かく見守ってください。
三 精神薄弱児
1 一人一人の把握を
精神発達の遅れの状態は、様々です。したがって、子どもの行動面や心理面など一人ひとりの個性に着目することが重要です。
また、子どもが興味・関心を示すことや、比較的発達している面に注目し、発達段階に即した指導を行うことが大切です。
2 基本的な生活習慣の習得を
身辺生活の処理や生活のリズムを確立していくことは、自立した生活を送る上でも、活用できる時間が増える上でも大切なことです。
無理のない方法で習得させたいものです。
3 子どもの生活経験の拡大を
一つ一つの活動が子ども自身の生活を楽しいものにしたり、便利なものにしていくという体験を通して、生活に必要な知識や技能、態度を育てていくことも大切です。
4 達成しやすい課題の設定を
生活や学習の場においては、子どもができる役割を用意したり、活動の手順や方法を図示したり、活動の時間を十分に確保して、子どもが課題を達成できるようにすることが大切です。
5 さりげない援助を
大きくなれば、その子どもなりに自覚をもっています。学校生活や社会生活において、以前と同じような援助を押し付けず、その子どもが困っているときにさりげなく援助を行うことが大切です。
![]()
精神薄弱児の数の勉強
四 肢体不自由児
1 動作や姿・形にとらわれないで
動作や姿・形の違いが目立つために、思いやりが過ぎて依存的になっては困ります。適時・適度な援助を行うことが大切です。
2 歩行が困難な子どもに対して
つえや車椅子を使用している子どもたちは、自分で歩こうと努力し.ています。歩行のじゃまをしないことと手助けをするときには、声をかけるようにしましょう。
なお、机やいすは、つかまっても動かないような安定したものにする必要があります。
3 言葉が不自由な子どもに対して
脳性まひ児には、手や身体が自分の意思と関係なく動いてしまうことがあります。このため、話すときに発声が不明瞭になりがちで、顔がこわばったりすることがあります。
話を聞く側は表情や話し方に注意を向けるのではなく、子どもの話すペースで最後まで話を聞き、こちらからもゆっくりと話しかけるようにすることが大切です。
五 病弱児
1 いろいろな疾病
気管支喘息、腎臓病、心臓病、進行性筋ジストロフィー症、てんかん、糖尿病、血友病等の慢性疾患の状態が6か月程度の生活規制を必要とする者を病弱児という。
2 主治医との連携を
主治医の指導に基づいて、生命及び健康の維持増進を図ることが大事です。教師の思いつきや勝手な判断で指導に当たらないようにしなければなりません。
3 特別な事情の理解を
疾病の治療や予防、悪化を防ぐために、運動の制限や安静などの生活規制、服薬・注射、補食など健常児とは違ったことをしなければならないことを教職員はもとより、児童生徒についても知らせ、理解を得ることが大切です。
4 発作のないときには
気管支喘息や、てんかんなど発作の種類に応じた対応を適切に行う必要があります。
発作のないときには、健康な子どもと変わりないので、運動などもできるだけ普通にやらせたいものです。
5 緊急時の対応を
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |