教育福島0180号(1994年(H06)07月)-008page

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特集

学校教育の推進

“新世紀ふくしま”を担う

人材育成のための学校教育の充実

義務教育課

 

はじめに

 

現在の社会は、科学技術の進歩と経済の発展が急速に進み、私たちの生活の中に物質的な豊かさを与えている。また、一方では、国際化、情報化がかつてない勢いで広がりを見せ、高学歴化、核家族化、高齢化、少子化も一層進み、価値観も多様化するなど、時代は大きく変貌しようとしている。

これらの社会の変化は、子供たちの生活や意識のうえにも多大の影響を及ぼしており、今後ますます拡大していくことが確実視されている。

このような時代認識に立って、教育課程審議会は、新しい時代の教育課程の基準の改善のねらいとして、

1 豊かな心をもち、たくましく生きる人間の育成を図ること

2 自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を重視すること

3 国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図ること

4 国際理解を深め、我が国の文化と伝統を尊重する態度の育成を重視すること

を答申した。

この答申を受けて、幼稚園教育要領及び小・中学校の学習指導要領が改訂された。

学習指導要領は、これからの社会とそれに伴う幼児・児童生徒の生活や意識の変容に配慮しつつ、生涯学習の基礎を培うという観点に立ち、二十一世紀を目指し「社会の変化に自ら主体的に対応できる心豊かな人間の育成」を図ることを基本的なねらいとしている。

本県においては、平成六年度の重点施策の柱に「二十一世紀を担う心豊かでたくましい児童生徒の育成」を掲げ、小・中学校教育に関わる重点施策として、次の五つの施策を設定し、各学校における意欲的な実践を期待している。

1) 教育内容・方法の改善充実

2) 道徳教育・環境教育の充実

3) 生徒指導・進路指導の充実

4) 健康教育と学校体育の充実

5) 教職員の指導力の向上

これらの施策を円滑に実施し、本県学校教育の一層の充実・発展を図るためには、各学校において、学習指導要領の趣旨を十分に理解し、新しい教育活動への積極的な取り組みが求められる。

そのためには、以下に示す内容について理解を深め、自校の実態に即して、積極的な教育活動の展開方策を講じていく必要がある。

1 心の教育の充実

社会の変化に主体的に対応できる能力や人間としての生き方、在り方についての自覚を高め、豊かな心をもち、たくましく生きる人間を育成することは、時代の要請である。

そのためには、道徳の時間の指導を中心に、各教科、特別活動など学校教育全体の指導を通して心の教育を充実していく必要がある。

今回の改訂において、道徳教育では次の点が強調された。

まず、道徳内容の構成に関しては「主として自分自身に関すること」「主として他の人とのかかわりに関すること」「主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること」「主として集団や社会とのかかわりに関すること」の四点から、内容の再構成が行われた。

次に、道徳の内容の重点化に関しては、小学校低学年では、基本的な生活習慣など十四項目、中学年では日常の社会規範を守る態度など十八項目、また、高学年では公徳を守り公共に尽くそうとする態度等、中学校では、人間としての生き方の自覚等をそれぞれ二十二項目に内容を整理し、内容の全体構成及び相互の関連性と発展性を明確にした。

さらに、学校ごとに道徳教育の全

 

 

 


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