教育福島0180号(1994年(H06)07月)-028page
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人一人に説明や指導をしている時間がなくて困っている。」と言うので、「コンピュータ操作に慣れている男子生徒に活躍の場を与えてはどうか。」と助言した。
数日後、「だいぶ指導時間がとれるようになりました。」と笑顔で話してくれた。
これからも初任者の考えや気持ちを尊重し、ニーズに応えられる研修を心がけていきたいと思っている。
また、初任者研修に関する会議に出席して感ずることは、研修時間の確保や指導内容・方法など、実施上の諸問題が山積みしているということである。このことは、研修を円滑に進めていくうえで避けて通れない問題であり、これまでの本校における工夫の上に立って自分なりに改善の努力をしていきたいと考えている。
指導教員として数ヶ月過ぎたが、前年度までの指導資料や記録を参考にし、これまで以上の研修成果が上げられるようがんばりたいと思っている。そして、指導教員としての研修を通して自分もさらに成長していきたいと考えている。
(大熊町立大熊中学校教諭)
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生徒と共に
田中礼子
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どこまでも続く山。一面の雪。ゆっくりと流れる只見川。こんな山の中のどこに学校があるのだろうか。そんな思いを抱きつつ、車を走らせ金山町を初めて訪れてから、まもなく二か月が過ぎようとしています。校門をくぐった私を最初に迎えてくれたのは、校庭いっぱいの雪の山でした。これから始まる慣れない土地での不安な生活を象徴しているかのように思えて、一瞬荘然としてしまったのですが、諸先生や地域の方々、そして素直で明るい七十三名の生徒たちの心は雪と反比例してとても暖かく、今ではこの土地で教員生活をスタートさせていただいたことに対してとても感謝しています。教師の道を志すようになってから、こんな先生になろう、こんな授業をしよう、いろいろな理想を思い描いていたのですが、実際には自分の勉強不足と経験不足のため、そう簡単に思いどおりになることはなく、毎日もどかしさを感じながら今日まで来てしまいました。
生徒たちにとっては一生に一度のかけがえのない三年間。一日でも、一時間の授業でも無駄にすることはできないはずなのに、一人一人が満足感を味わえるような充実した授業がなかなかできず、生徒たちには本当に申し訳なく思っています。
何かうまくいかないことがあって落ち込んでいるときにはその笑顔に励まされ、つい「忙しい」という言葉にあまえて怠けそうになったときにはその厳しい目に鞭打たれ、いつも私の前には生徒たちがいて、何度も何度も助けられました。
教師になることの易しさ。
教師であることの難しさ。
初任者研修の中で先生からいただいた資料の中に、こんな印象強い言葉がありました。「大学で教職課程をとり、採用試験に合格さえすれば教師になることはできます。しかし、『教師である』と胸を張って言えるようになるまでには並大抵のことではありません。」と。短い期間ですが身をもって体験し、「教師であること」の難しさを痛感しています。
今私を支えてくれている生徒たちを、希望に満ちた明るい未来に自信を持って導いていくことができるよう、先輩の先生方のご指導を謙虚に受け止めながら一生懸命自己研修に励んでいきたいと思います。
教えることは学ぶことです。
学ぶということで常に生徒たちと同じ視点に立ち、共に成長していきたいと思うこのごろです。
(金山町立第一中学校教諭)
冬の時
深谷金之助
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一月の半ば、花壇の中に小さな葉を二、三枚つけただけのちぢこまった姿のパンジーを見つけた。立ち枯れのような姿で、とても春までもつまいと思われた。取り除いてしまおうと引き抜いてみると、小さい根の
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