教育福島0180号(1994年(H06)07月)-032page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
研究実践
『意欲的に取り組み、豊かに表現できる児童を目指して」
−作文指導を通して−
平成4・5年度福島県教育委員会指定(教育課程研究校)南会津郡下郷町立楢原小学校
一 主題設定の理由
1 学習指導要領の趣旨を受けて
学習指導要領は、児童がこれからの社会において、心豊かに、主体的、創造的に生きることができる資質や能力の育成をねらいとしている。この新しい理念を実現するために、「新しい学力観に立つ教育」と「子どものよさを生かす教育」が提唱されるとともに、国語科では改善の重点として、作文指導の充実があげられている。本校では、平成元年度から作文の指導に力を入れてきたが、新しい理念の実現を目指すには、作文指導においても教育課程全体と関連を持たせた工夫、改善が必要である。
2 児童の実態と教師の願いから
児童の学習に対する姿勢はどちらかというと受身的で、積極性や持続性、表現力が十分とは言えない実態がある。また、教師側からは、指導のねらいが先に立った教師主導の授業から、児童一人一人の興味・関心・願いを生かし、自己表現が苦手な児童生徒への支援ができる授業への転換を図ろうとする声が強かった。
3 教育目標具現の観点から
本校では、学ぶ子・働く子・鍛える子・協力する子の四つの教育目標実現のため、重点目標として、「進んで」めあてを持って取り組むこと、「自分の考え」をはっきりと表すことをあげて取り組んでいる。
これらの具現化のためには、児童一人一人が学習活動に楽しく取り組むことを通して、自分の考えや感じ方をしっかりと持ち、適切に表現して自己実現することができるようにしていくことが必要であると考え、本主題を設定した。
二 研究の見通し
1 作文の指導を三本立て(教科書単元・スキル学習・開発単元)で編成するとともに、他教科・他領域との関連を図りながら指導計画を改善する。
2 『書きたい』という意欲の喚起と『どう書けばよいか』という表現力づくりの二つの観点から手立てを工夫し、学習指導の充実・改善を図る。
3 書くことの日常化を図るために表現力を発揮する場を設定する。
以上の手立てを持って指導すれば、意欲的に書く活動に取り組み、豊かに表現できる児童を育成することができると考えた。
三 研究計画と組織
(略)
四 実践の概要
1 年間指導計画の見直しと改善
(一) 三本立て指導
教科書単元は、一〜四年が八十時間前後、五・六年が四十九時間前後、スキル学習は八時間前後、開発単元は十五時間前後とした。
(二) 教科書単元と実践例
実作を通し、基礎的・基本的内容を系統的に指導するとともに意欲を持続できるよう工夫してきた。
二年「作ってあそんだ−ぶんぶんごま−」
「おもちゃの作り方と遊んだときの様子を絵本に書いて、友達や家の人に教えてあげよう。」と導入。作文用紙を綴じると絵本になるように工夫したので喜んで取り組んでいた。
![]()
表1 開発単元の題材配当
(三) スキル学習と実践例
作文の技能の強化を図るため、児童の実態から必要な技能を取り上げて指導することをねらう。対象とな
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |