教育福島0180号(1994年(H06)07月)-033page
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る技能は、各学年でねらう取材・構想記述・推敲・鑑賞の技能の定着に直接役立つものとし、教科書単元や開発単元、日記指導等と関連させて指導する。
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表2 スキル学習の実践例
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音楽を聞きながら物語を書く(6年開発単元)
(四) 開発単元と実践例
児童が意欲を持って主体的に書く活動に取り組めるよう、意欲の喚起に重点を置いて開発した単元である。教科書単元とスキル学習で身に付けた力を発揮し、意欲的に書く活動ができるようにすることをねらいとしている。取り上げる題材は、児童が興味・関心を寄せる身近なものであり、目的や相手意識が明確で、体験活動を取り入れることができるものとする。文種は実用文が中心になる。
表現面では、学年の目標に応じた個性豊かな表現を目指す。書き上がった作品に対して友だちの反応が返ってくるような展開を工夫し、いつそう意欲を高めるようにした。
(五) 他教科・他領域との関連を持たせた例
開発単元ではすべて体験活動を取り入れたほか、教科書単元においても積極的に体験活動を導入して、意欲付けを図った。
五年の例
○「構成を工夫して−輪島ぬり−」(教科書)
○各教科
いろいろな学習の中で、初めてわかったり、できるようになって感動したりしたことを紹介する。
2 書けない児童への支援の工夫
(一) つまずきの理由
○何を書いたらよいか分からない
○どのように書いたらよいか分からない
(二) 効果的だった支援の方法
○教室環境を整える。・既習事項一覧表・資料の掲示
○ヒントカード・アドバイスカードを用意する。
○学習カードの形成を工夫する。
○作文用紙を工夫する。
○悩んでいる児童と話し合う。
○「よさ」を認める評価をする。
3 書くことの日常化
(一) 十分間作文と実践例
書く機会を多くすることによって書くことへの抵抗をなくすため、週一回、業間活動時に行ってきた。
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表3 十分間作文の実践例
(二) 培った作文力を発揮する場を設定
社会でのノート作りや新聞作り、理科での観察記録文、道徳での学習シートなど教師側が意図して設定した活動と、児童会活動での七夕祭の脚本作りなど児童が自主的に行うことができた活動がある。
五 研究の成果と今後の課題
1 研究の成果
(一) 作文指導に三本立て指導を取り入れ、他教科・他領域との関連を図った指導計画に沿って指導することにより、児童の意欲を引き出し、学年の目標を踏まえた指導がしやすくなってきた。
(二) 作文の学習に意欲的に取り組む児童が多く見られるようになってきた。特に、児童の興味・関心の高い題材を取り上げ、体験活動を取り入れたことで書くことが見つからない児童は少なくなった。また、表現力も高まってきたことが
作文力調査にあらわれている。
(三) 十分間作文では、どの児童も意欲的に取り組み、楽しい作品をたくさん残すことができた。また、他教科・他領域でも書くことに抵抗を示す児童は少なくなり、豊かな表現活動が展開できるようになってきた。
2 今後の課題
(一) 作文の学習で培った作文力をいっそう確かで豊かなものにしていくためには、他教科・他領域での書く活動の場の設定と指導をさらに工夫し、学校生活全体の中で発揮できるように、研究実践をいっそう進めていく必要がある。
(二) 評価の研究を進め、方法をさらに工夫していく必要がある。
(三) 十分間作文をいっそう個々の児童の思いや願いが生きる学習とするために、題材の開発をさらに進めていきたい。
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