教育福島0181号(1994年(H06)09月)-033page
機関・団体及び民間事業者等が実施する施設の開放、活動の機会の拡充に関する事業、3Fデーの体験発表などふれあいの成果の発表や考える場の拡充に関する事業など、様々な事業を実施しております。各学校にあってはこれらの趣旨を充分に理解され、今後とも協力をお願いいたします。
第二は、地域の人々に対して様々な学習機会を提供することです。学校が生涯学習の機会を提供する形態としては、開放講座の実施、学校施設の開放、教職員の有する知識・技能の提供をはじめ様々なものがあり、生涯学習の観点から多様な学習機会の提供および学習成果の評価への関与等の道が開かれていくことが大切になってきています。
例えば、人生の各段階の学習ニーズに応えるため、従来の学校とは異なる機能・性格を持つ新しいタイプの学校が創設されています。放送大学、単位制高等学校、専修学校等がそれで、ここでは様々なタイプの学習機会が用意されており、年齢、学習目的等の異なる学習者に対して多様な学習機会を提供しています。
また、時間的余裕に乏しい社会人等に対し学校へのアクセスの多様化を図ることは、生涯学習社会へ移行するための重要なステップと考えられます。例えば、夜間や通信による教育は授業時間や教育方法を工夫することにより、大学入学資格検定制度や社会人の別枠受け入れば、受験資格や入学者選抜について工夫することにより、いずれも学校へのアクセスを容易にし、学習機会の拡充を図るものと考えられます。
さらに、生涯学習における学校の役割の中で極めて重要なことは、学校における教育研究の成果やその施設を開放し、地域における生涯学習のニーズに応えることであるといえます。
学校の施設の開放や大学、専修学校、高等学校等の公開講座は、こうした観点から学校と地域を直接結び付けるものであり、学校を単に青少年向けの教育機関としてとらえるだけでなく、成人をも含めた人々の生涯学習のために、地域社会におけるもっとも身近な学習の場として積極的に活用するものであると考えます。
県では、学校施設の開放をはじめ各種開放講座を大学、専修学校、高等学校、県の専門施設等において実施し、県民の多くの方々に活用していただいております。また、公開講座等については大学などを中心に学校が自主的に実施しているものもあります。
しかしながら、現在実施されている施設の開放及び各種開放講座の開設状況は、開放学校等の数や、講座の種類等において県民のニーズに充分に応えるまでにはいたつていないのが現状であります。
これからは、各学校がそれぞれに開放講座等を開設し、その情報を教育庁内に設置した生涯学習情報提供システムを活用お知らせし、県民の多くの方々に利用していただき、生涯学習社会形成の一翼を担うことが学校としての大きな役割となるものと考えられます。
4 おわりに
豊かな生涯学習社会を築いていくために、学校の果たすべき役割は大変大きいものがあります。平成4年7月の生涯学習審議会答申では、生涯学習の振興に向けた国民各界階層への呼びかけをしています。
学校への呼びかけは、次の4点です。
(1) 学校では、生涯にわたる人間形成の基礎を培うため、基礎的・基本的な内容の指導を徹底し、個性を生かす教育の充実を図るとともに、自己教育力の育成を図ることが期待されている。
特に学力については、単なる知識や技能の量の問題としてとらえるのでなく、学校、家庭及び地域における学習や生活を通じて子どもたちが自ら考え、主体的に判断し、行動するために必要な資質や能力として身につけるものであるという認識を持つことが重要である。
(2) 小学校、中学校、高等学校などの学校も、発達段階に伴う一定の年齢層の児童生徒に対する教育機関としての役割のみでなく、幅広く地域の生涯学習のための役割を果たすよう、その教育機能を、社会や地域に広げることが期待される。また、地域の生涯学習関連機関や団体との、密接な連携・協力を図ることが重要である。
(3) 大学、短期大学、高等専門学校、専門学校などの高等教育機関は生