教育福島0181号(1994年(H06)09月)-034page

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涯学習社会を築いていく上で大きな役割を担っている。社会人のリカレソト教育の実施など、生涯学習の機会を提供することは、大学等の重要な機能の一つであり、今後一層、生涯学習への積極的な取り組みが期待される。

(4) 学校の教員が自らの生涯学習に取り組むことは、教員自身にとっても、新しい発見と自己の充実・向上に結び付くものであり、使命感の高揚や指導力の向上にも役立つとともに、学校教育そのものにも好ましい影響を与えるものである。

また、経験豊かな社会人や生涯学習の指導者などを、幅広く学校教育の場に迎え入れるζとは、学校の教育機能を高めることに役立ち、学校教育の活性化にもつながるものであり、積極的な対応が望まれる。

前にも述べましたが、生涯学習の観点から見たとき、学校はまず第一に生涯学習の基礎づくりとしての役割を担っています。人々が生涯を通じて学習を続けていくためには、それに必要な基本的な能力や自ら学ぶ意欲・態度が不可欠です。それら生涯学習の基礎である自己教育力を育成していくのが学校の役割であることはいうまでもありません。

しかしそれだけでなく、学校はもう一つ生涯学習機関としての役割をもっています。地域住民の多様なニーズに対応するため、学校自体が生涯学習機関の一つとして、学校の持つ施設・機能を広く地域や社会に開放し、様々な学習機会を提供することが期待されています。

学習機会の提供の一例ですが、長野県茅野市では様々な講座や教材の中から市民一人ひとりの興味や知識水準、学習条件に合わせて学習できる「学習メニュー方式」を取り入れた開放講座を平成元年度より小・中学校の教職員により実施してきました。平成5年度には47講座、90活動に127名の教師が参加し、受講生は約2、300人でした。その内容も多様で、「親子で楽しむバドミントン」、「親子の料理」、「楽しい算数」等、人文、自然関係の教養講座から、教育、芸術、生活、スポーツ・レクリエーションの講座・活動まで及んだそうです。講座等の感想は、「指導者自身が、大変勉強になっている。」、「準備が大変だが、参加者が意欲的に取り組むので気持ち良く進められた。」、「参加者に喜ばれるので、やりがいがある。」などで、住民のために、いろいろな学習機会を提供しようと始められた開放講座ですが、「教える」から「共に学ぶ」といった共学の精神が生まれるなど、開放講座は教師にとっても学習のいい機会となったようです。この例一つからも、生涯学習に果たす学校の役割の大きさがあらわれています。生涯学習社会の実現に向けて、生涯学習機関の一つとして学校自らがこれまで以上に積極的に対応していく必要があります。

 

1) 大学開放講座

2) 高等学校開放講座

 

2) 高等学校開放講座

 

 

 

 


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