教育福島0182号(1994年(H06)10月)-008page

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特集〔1〕

通級による指導

養護教育課

 

1) はじめに

平成五年一月二十八日付文初特第二七八号「学校教育法施行規則の一部改正等について」の通達によって、学校教育の場で、ことばやきこえ等に障害のある子どもの指導が始まって以来三十数年の願いであった「通級による指導」が法的に認められた。

さて、平成五年度から始まったこの「通級による指導」とは、小学校又は中学校の通常の学級に在籍する心身に軽度の障害のある児童生徒に対して、障害に応じて特別の指導の場で特別の指導(以下「通級による指導」という)を行うことができるということである。

この通級による指導が開始され、一人の子どもに通常の教育以外にも必要に応じ、障害の改善・克服のための教育を行えるようになったわけであるから、まさに多様な教育を個のニーズに応じて行える教育の始まりであり、その意義は大きいものがあると考える。

この制度の内容及び通級による指導の在り方について述べていきたい。

 

2) 「通級による指導」

1 「通級による指導」とは

小・中学校の通常の学級に在籍して、国語や算数などの各教科等の指導を受けながら、心身の障害の状態を改善したり克服するための特別の指導を通級指導教室といった特別の指導の場で受ける新しい教育の形態である。特殊学級と違って、児童生徒の通級指導教室への在籍を前提としない。

2 通級による特別の指導の場

「通級による指導を行う特別の指導の場」として、次の三つがある。

1) 通級指導教室

県内の6校に設置されている。

2) 特殊学級(精神薄弱特殊学級を除く)

小・中学校に設置されている言語障害や難聴、弱視、情緒などの特殊学級

3) 盲学校、聾学校、肢体不自由・病弱養護学校(精神薄弱養護学校を除く)

通級による指導を受ける場のある学校を「通級指導校」、地域で児童生徒が在籍している学校を「在学校」と呼んでいる。

また、在学校に通級指導教室があり、校内通級するのを「自校通級」、通級指導教室を設置していない他の学校から通級するのを「他校通級」という。

3 通級による指導の対象とすることが適当な児童生徒

通級による指導の対象者は、おおむね通常の学級での学習に参加でき一部特別な指導を必要とする児童生徒である。この判断については、平成五年一月二十八日付文初特第二七八号通達「通級による指導の対象とすることが適当な児童生徒について」に示されている。

その判断に当たっては、通級による指導の特質に鑑み、個々の児童生徒について、通常の学級での適応や通級に要する時間等を十分考慮することが大切である。

障害の種類と程度については、次のとおりである。

(1) 言語障害者

口蓋裂、構音器官のまひ等器質的又は機能的な構音障害のある者、吃音等話し言葉におけるリズムの障害のある者、話す、聞く等言語機能の基礎的事項に発達の遅れがある者、その他これに準ずる者で、これらの障害が主として他の障害に起因するものではないもの。

(2) 情緒障害者

自閉、かん黙等情緒障害のある者で、通常の学級での学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とするもの。

(3) 弱視者

両眼の視力が矯正しても〇・一以上〇・三未満の者又は視力以外の視機能障害が高度の者のうち点

 

 

 


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