教育福島0182号(1994年(H06)10月)-012page

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るよう援助する。

(2) 保護者との連携

保護者に対しては、次のことが必要である。

1) 対象児とのかかわり方に関する指導と援助

2) 家庭における指導のあり方に関する指導と援助

3) 障害についての知識、情報に関する援助

4) 医療や福祉等の情報の提供

(3) 通常の学級の友達の理解

通級による指導対象児の友達関係の調整も大切である。

1) 障害の理解

2) 特別の指導を受けていることの理解

3) 友達の保護者の理解

4) 他の学級の児童生徒の理解

5) 学校体制としての理解

また、連携を密にするためにも定期的に在籍学級を訪問し、対象児の様子を参観し、担任や在籍学校の先生方と話し合うことや通級による指導場面を参観してもらうこと等が大切である。さらに、日常的に連絡帳や電話での連絡も欠かせないものである。そのための担当者同士の円滑な連携を支える学校間の協力体制の必要性は言うまでもない。

8 校内での位置づけ

幼児の教育相談、保護者の面接相談、個別指導、ケース会議等、指導形態や担当者の職務内容の特殊性について、学校内においても理解が十分得られていない場合が多い。しかも、他校からの通級児童生徒が多い場合は、放課後に指導時間をとるために、校内の会議等に出席する時間を確保するのが難しくなってくる。通級による指導を行う場合には、各学校において校長が中心となり、教員の理解を深めると同時に、担当教員の校務分掌の面においても適切な配慮がなされなければならない。

具体的には、次のことが考えられる。

1) 学校経営の重点事項の一つに「通級による指導の充実」を明確に位置づけ、通級指導教室の運営がしゃすいものにする。

2) 校内研修会で授業の公開や職員会議等で啓発用資料を配布し、理解に努める。

3) 校務分掌、教育課程の実施が教室の経営に大きくかかわっているので、校務運営委員会に入り、学校運営に参画する。

3) 個別指導の専門家として生徒指導や教育相談部に属し、学校全体の教育相談活動の充実に努める。

4) 校内就学指導委員会の充実推進に努める。

5) 障害の改善、克服という特別の指導を行うために、事前の教材の準備、指導計画の立案・評価・修正といった仕事ができるような時間の確保にも努めてほしい。

以上のようなことを配慮することによって通級指導担当教員が校内で孤立することなく、学校の中に設置された一教室として運営されると思われる。

 

3) 通級による指導の実際

−いわき市立平第二小学校−

1 「ことばの教室」の実態

ことばの教室での指導対象児童は、三十三名で、その内自校通級が十二名、他校通級が二十一名である。

三名の教員が担当している。

2 日課表

次のような一週間の日課表を作成し、指導の効果をあげるよう工夫しながら運営している。

〈平成六年度の日課表〉

一日の指導時間を午前と午後に分

 

 

 

 

 


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