教育福島0182号(1994年(H06)10月)-033page

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力向上の成果を近隣の学校や地域はもちろん、他の市町村にまで波及させるとともに、指定の幅を出来る限り拡大して欲しい。

2) 学習の習慣化を図るため、特に家庭学習を徹底させる支援活動を継続的に進める必要がある。

3) 平成四年度からスタートした「小・中学校教育ネットワークプラン事業」、平成六年度からの「小・中学校基礎学力向上推進事業」などの小中学校のより強い連携事業をさらに充実していって欲しい。

4) 小学校の段階で、基礎的・基本的な内容が十分身についていない。また、子どもたちは映像に慣れ親しんでいる環境に浸っており、ますます活字離れが進んでいる。このことから物事を深く筋道を立てて思考することが不得手となっている。さらに、不登校・いじめの問題など、学校を取り巻く環境にも厳しいものがある。生徒一人ひとりにとって居心地のよい学校づくりを進めていかなければ、学力向上を図ることは困難である。

5) 進学指導(高校)において熱心で実績のある教師を十分に生かしきれていない。人事異動については、その方針の運用を弾力的に行うようにして欲しい。

6) 早い段階において自己教育力を身に付けさせることが大切である。そのために、そのような指導のできる教師となるための研修の機会を設けることが肝要である。それとともに、小中学校の段階で一層の学力向上を図る必要がある。

7) 高校の学力向上のためには、一学年七クラス程度が適正である。また、各高校とも自習環境が整っていない。図書室への冷房設備の設置や、二〜三百人の生徒が一斉に自習できる部屋が必要である。

◆学校週五日制について

1) 学校における対応では、学習指導要領の趣旨を踏まえ、学力の向上が図られるような教育課程や学習指導計画を工夫する。

2) 学力向上への影響や過度の学習負担につながるのではないかという保護者の不安の解消を図るとともに、学校教育に依存した子どもの教育の在り方を是正し、家庭及び地域社会の教育責任の分担と教育力の向上に努める必要がある。

3) 家庭に子どもを帰せとの趣旨を真剣に考えることが大切である。土曜休日での親子の触れ合いはどうなっているのか。親側にとって、子どもの休みが増えたという程度の理解しかされていないのが現状のように思われる。公民館などの施設で実施されている家庭教育学級の内容や方法を再考し、家庭内の教育機能を生かすものにしたい。

4) 導入前は、賛成・反対の意見がそれぞれにあったようだが、始まってみると自然に受け入れられたと思う。かえって、子どもとのふれあいの時間が増えて、挨拶やエチケットなど、具体的な場所での朕も考えることができた。また、地域や家庭での子どもの様子、学校での様子も多く感じ取ることができ、親も一緒に勉強させられ、有意義な時間を持つことができた。

5) 地域の中での自然な姿の指導者(住民皆指導者)が姿を消してしまったので、当面は家族が意識して指導者となる必要があると思う。

6) 土曜休日に限っては、行政側や各団体は、行事を持たないで子どもを家庭に帰し、家族が一緒に過ごせる時間を確保してやることが大切に思われる。

◆その他

1) 親も教師も子どものマイナス面にばかり目を向ける傾向がある。プラス面を見いだし、ほめることによってマイナス面をプラス面に変えて行く教育を望む。

2) 子どもの教育に当たっては、授業などで子どもがつまずいた時に、「原因は何か」をよく把握して指導すべきであり、学ぶことの大切さを教えて行くことこそ大切なことである。

 

南会津地区

南会津地区

 

相双地区

相双地区

 

 

 


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