教育福島0182号(1994年(H06)10月)-034page

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平成七年度

福島県立盲学校・聾学校・養護学校高等部入学者選抜について

 

福島県立盲学校・聾学校・養護学校高等部入学者選抜の基本方針及び選抜日程は、次のとおりです。

 

基本方針

 

○「一般選抜」のみ実施する。

高等部入学者選抜は、中学校長または、中学部設置学校長より提出された調査書、選抜のための学力検査の成績、障害の種類・程度及び面接の結果を資料として、各高等部設置学校の実態を考慮しつつ、その教育を受けるに足る能力・適性等を総合的に判定して行なうこととする。

一 中学校または中学部設置校においては、調査書を厳正・公平に作成する。

二 高等部設置校においては、調査書を十分に尊重する。

三 学力検査問題の出題は、中学校学習指導要領、盲学校・聾学校・養護学校中学部学習指導要領に基づき、適正なものとする。

四 学力検査を実施する教科は、国語、社会、数学、理科の四教科及び高等部設置学校長が定める一教科(又は養護・訓練)とする。

ただし、精神薄弱を教育する養護学校高等部の教科については、別に定める。

五 選抜に当たっては、面接を実施する。

* 高等部入学者選抜を実施するのは、次の七校です。

○盲学校

○聾学校

○会津養護学校(精神薄弱教育)

○いわき養護学校(精神薄弱教育)

○郡山養護学校(肢体不自由教育)

○平養護学校(肢体不自由教育)

○須賀川養護学校(病弱教育)

 

平成7年度福島県立盲学校・聾学校・養護学校入学者選抜日程

−一般選抜関係日程−

願書提出  平成7年2月13日(月)〜2月20日(月)

出願先変更 平成7年2月23日(木)〜2月27日(月)

調査書提出 平成7年3月2日(木)〜3月4日(土)

学力検査  平成7年3月16日(木)

面接    平成7年3月16日(木)または17日(金)

合格者発表 平成7年3月20日(月)

 

※なお、詳細については、各実施校にお問い合わせ下さい。

 

チャイム

 

石の地蔵さん

音高幸子

猛暑の夏も秋へと傾き、庭先

猛暑の夏も秋へと傾き、庭先や草 むらに、彼岸花の鮮やかな赤を見つ ける頃となった。意表をつく…とい った風情で、ひょっこり顔を出すこ の花の咲き方には、いつもはっとさ せられる。墓参りの道すがら、お地蔵 様の足許を、あかあかと染める一群 の彼岸花。今年も、赤い頭巾と前かけ 姿を映して美しい。やや鋭角的な切 れ長の目と、ふっくらした頬の表情 をもつお地蔵様に、穏やかな意志を 見る思いがする。見とれていて、ふ とほろ苦い思い出が浮かんだ。小学 校入学間もない頃のことである。「皆 の前で歌える人…」との先生の問い に、私を含む数人が手を挙げた。運 よく(?)指名された私は、無邪気に 喜んで先生の横に立つ。瞬間、膨ら んだ風船がいっぺんにしぼんだよう に声が出ない。いくら頑張ろうとし ても、身体が固くなってしまうのだ。 後ろの席から前に進み出る時には、 予想もしなかった級友の顔々と視 線。その驚きに足がすくんだ。先生 は何度も私を促し、なじり、「こんな 人を、石の地蔵さんていうんだよ。」 と言った。初めて味わう屈辱の感情。 幼心に描いた女先生の優しさは、砕 け散った。後年、先生の思いと、自 分の情けなさを理解できるようにな って、先生の笑顔を憶えていないの は、さびしいことである。それにし ても、目の前のお地蔵様は、石であ っても心が通う。あの時の私の顔は、 お地蔵様ではなく、小鬼のような表 情であったに違いない。さわやかな 秋風が吹いて、彼岸花が揺れた。

(福島市蓬莱公民館運営審議会委員)

 

 

 


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