教育福島0182号(1994年(H06)10月)-046page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

県立学校だより

 

創立百十周年を迎えて

《県立安積高等学校》

 

◆歴史と卒業生

本校は明治一七年発足し、今年で創立一一〇年を迎える。

明治二二年に現在の郡山市開成に洋風二階建の新校舎が完成し、この校舎は、現在国の重要文化財に指定され、「安積歴史博物館」として保存され、畏敬と親しみを込めて“旧本館”と呼ばれている。

二万五千余の卒業生の中には高山樗牛、久米正雄、京都大学総長の新城新蔵、小西重直、世界の歴史学者朝河貫一がいる。その他、各界各層で活躍している人物は枚挙にいとまがない。

現在、毎年卒業生に学校より優等賞、皆勤賞を授与している。更に同窓会から成績優秀者に対して、樗牛賞、新城賞、朝河賞を贈り、その業績を称え、後輩への励みとしている。

 

◆百十周年記念事業

節目の年にあたる今年、次のような記念事業が行われた。

1) 生徒の奨学事業として二年生十名を米国に派遣した。(7/26〜8/4)

本校大先輩の朝河博士の足跡をたどると共に、博士ゆかりの大学訪問ホームステイ等により研修や交流を行った。

2) 記念誌「萠ゆる安積野」の発刊

創立一〇〇周年以降の学校行事、部活動等の記録や生徒、同窓生の文章が載っている。

3) 記念式典を含む紫旗祭

九月三日に記念式典を行った。この前後の四日間の学校祭を紫旗祭と言い、安積健児が最も燃える時である。

目を見張るばかりの級旗の出来映え、アイディアを生かしての仮装行列、特に安女高前でのパフォーマンスは安高生ならではのものである。

 

◆質実剛健と開拓者精神

校長は、「何を教えてもらう」ではなく、「自らの意志で何を学ぼう」が大切であると説く。一方、安積開拓と共に生まれた安積高校であるという認識のもと開拓の心を常に抱き現在そして未来に生きて欲しいと教師は願う。

本校生は全員が進学希望であり、日々の授業を最も大切にし、教師は教材研究に最も時間をかけている。その上で、旧本館講堂を利用しての学年集会指導、学習合宿、生徒、保護者合同の進路講演会の施策を講じている。

また、本校主催の中学校連絡協議会を開きより良い連携を模索している。

また、部活動面も活発で、福島国体に向けて、強化指定を受けた部は、剣道、バスケット、ソフトボール、軟庭、ラクビーである。

更に個人競技では硬式テニス、水泳、陸上が有望である。野球部も今年は暑い夏に熱い夢を見せてくれる活躍振りであった。甲子園出場!それは学校、同窓会の悲願である。

文化面では、合唱、吹奏楽、化学、放送、囲碁、将棋等が高いレベルにある。

本校は、一一〇年の歴史と伝統に甘んずること無く二一世紀に向けて新たな問題意識を持ち開拓していきたい。

そして今、安積は生徒、教職員の目が輝いている。

 

『二十一世紀に向かって魅力ある定時制高校をめざして』

《県立いわき光洋高校・定時制》

 

本校は、既存の定時制高校「いわき中央高校」の施設・設備等を活用して新設された単位制による定時制課程・普通科と、同じく単位制による全日制課程・文理科(全国初)からなる全定併置の高校として、平成五年四月に開校した。

校舎は、福島県の南東部、茨城県境と太平洋に接するいわき市の常磐線内郷駅から、徒歩で十五分程の小高い丘の上にある。教育方針には、「単位制高等学校としての趣旨をふまえて、一人一人の個性の伸長と才能の開花を図り、生涯を通じて、自ら考え、自ら学び、自らの責任において主体的に行動し、豊かな心といきいきとした希望を持って、真に平和な文化国家および社会の有為な形成者となる人間を育成する」ことを譲っている。

〔本校の特色〕

一、学年という枠はなく八十単位以上修得すれば卒業できる。

二、二期制を採用し、それぞれの学期毎に単位の認定をする。

三、過去に修得した単位や通信方式の科目、大検合格の科目等により、三年でも卒業できる。

現在、一年次生から四年生まで、一二六名の生徒が学んでいる。特別活動等が活発で、例えば、生徒生活体験発表大会には、毎年多くの生徒が参加して自分の職場や学校での体験発表を競い合っており、県大会での発表も高いレベルの評価を得ている。

また、本校の定時制ならではの行事として、夜空の星にロマンを見つける「天体観望会」がある。地域社会の天文同好会の方々の協力のもとに、十数台の天体望遠鏡でいろいろな星々を、歓声をあげながら身近に観察するというものである。その他、

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。