教育福島0182号(1994年(H06)10月)-047page

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交通安全教室や、精神保健講話等がある。

運動部の活動は一年中を通じて大変活発である。

ちなみに第三十一回福島県高等学校定時制通信制体育大会の主な結果は次のとおりである。

柔道部 〔男子〕重量級優勝・準優勝、軽量級優勝〔女子〕優勝・準優勝・三位。講道館で行われた全国大会に出場し善戦した。

野球部 五年ぶりに優勝(光洋高校としては初)。東北代表決定戦では、宮城県代表高校に勝って、神宮球場での全国大会に出場し健闘した。

バドミントン部 〔男子〕団体優勝、個人複準優勝・単三位〔女子〕個人単三位

以上のように、生徒達の学校での活動は、いきいきとしている。今後は、浜通り唯一の定時制の高校として更に魅力ある学校となり地域社会に認められるよう、生徒と教職員が一体となって進んでゆきたいと思っている。

 

社会自立を目指して

《県立西郷養護学校》

 

本校は、昭和四十八年に県の総合社会福祉施設「太陽の国」内に創設されました。知的な発達に遅れのある児童生徒を対象とした、長い歴史のある養護学校です。現在、小学部三十二名・中学部二十六名の計五十八名が、家庭や提携施設から徒歩やスクールバスで通学しています。

本校の教育目標は、「一人ひとりの心身の障害を補い、調和的な発達を図りながら個性と能力を伸ばし、社会の一員として生きていくことができるようにする。」とし、将来できるだけ自立できる能力を身につけさせるための教育課程を編成し、修学旅行や遠足・運動会・学習発表会といった学校行事はもちろん、普段の授業でも体験的な活動を多く取り入れた学習を行っています。

つぎに、こうした学習活動のうちのいくつかを紹介します。

○宿泊学習

中学部では例年、九月上旬に国立那須甲子少年自然の家で一泊二日の宿泊学習を実施し、登山やキャンプファイヤ、オリエンテーリング、野外炊はん等の普段では経験出来ない活動をとおして教師の指示を待つのではなく自分で判断し、自分のことは自分で行う態度を育んでいます。

小学部でも今年度から、五・六年生を対象に、七月上旬に太陽の国の一施設である厚生センターを利用して一泊二日で実施しました。これは、児童の自立心を育てるとともに、中学部での宿泊学習の橋渡しの意味をも担っています。

○校内・現場実習

中学部では、毎年六月中旬と十一月中旬の二回にわたり、六日間の校内実習・現場実習を行っています。これは、将来の社会自立を目指して職業生活に必要な初歩的な知識・技能・態度及び習慣を養うとともに、働くことに関心を持たせ社会人になるうえでの心構えや働くことの意味を体験をとおして理解させようとするものです。

まず校内実習では、生徒達は紙工(牛乳パック利用の和紙葉書)・縫製(布切れで織る足拭きマット)・木工(植木鉢入れ等)の三班に分かれ、分業体制でそれぞれの生産に真剣に取り組みます。出来上がった作品は、学習発表会などで展示されますが、その出来映えに特別注文を受けることもあるほどの好評を博しています。

また、同時進行で行われる現場実習では、三年生が近隣の協力企業や授産施設に通勤し、現場の決まりに従って厳しい労働を体験しながら、生産の仕組みなどを学びます。

○交流活動

本校では、以前から近隣の小・中学校と交流教育を行ってきましたが、平成五・六年度は、西郷村立川谷中学校(生徒数五〇名)が文部省の心身障害児理解推進校の指定を受けたのに伴い、本校では中学部がその協力校として活動しています。

初年度は、「出会いの集い」「農園作業(馬鈴薯選別)」「野外活動(芋煮会)」「生徒会交流会」の四回にわたる交流の機会が持たれました。二年目の今年は、六回の交流が計画されていますが、七月中旬には、宿泊学習先で一緒にキャンプファイヤを囲みながらの楽しい交流の一時を過ごしました。

初めはぎこちなかった交流も、回を追う毎にスムーズになり、思いやりの心に満ちた和やかな活動場面が展開されるようになりました。こうして、周囲の人々に支えられながらも社会性を身につけ、たくましく生きる力を培っています。

これらの学習の成果は、日常生活の様々な場面や委員会活動(放送・新聞・保健・集会)等に着実に表れて来ています。中学部も上級学年になると、スクールバスではなく路線バスを利用して自主通学する生徒も出てきます。

このほか、今年の学習発表会は、単なるステージ発表だけではなく、模擬店展示等それ以外の発表が加わった従来とはひと味違ったミニ文化祭のようなものになりそうです。そこでは、主体的に活躍する生き生きとした児童生徒達の姿が見られそうです。あたかも、七月上旬、本校の中庭に個性豊かに咲き乱れる「もじずり(ネジバナ)」のように。

 

 

 


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