教育福島0183号(1994年(H06)11月)-008page

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特集〔1〕 新教育課程

 

男女必修家庭科スター卜

 

−高等学校教育課−

 

一 はじめに

 

高等学校学習指導要領の改訂は、これからの社会の変化とそれに伴う生徒の生活や意識の変容に配慮しつつ、生涯学習の基礎を培うという観点に立って行われた。改訂の基本的なねらいは、二十一世紀を目指し社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成を図ることであり、次の基本方針が示された。

1 豊かな心をもち、たくましく生きる人間の育成を図ること

2 自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を重視すること

3 国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図ること

4 国際理解を深め、我が国の文化と伝統を尊重する態度の育成を重視すること

家庭科については、これらの基本方針を受け、従前の女子のみの必修から、男女ともに必修の教科となった。

これは経済社会の成熟化、情報化国際化等の進展や女性の社会進出の促進化等、今日の社会の急激な変化が家庭生活にも大きな影響を与えており、このような社会の変化に適切に対応していくための資質・能力を育成する上で、男女とも「家庭科」を履修することが求められるとの認識に基づくものである。

 

二 必修となった経緯

 

臨時教育審議会第二次答申(昭和六十二年十二月)において、家庭教育の活性化の観点から学校教育における家庭科の改善について指摘があった。また教育課程審議会の答申(昭和六十二年十二月)においても、各学校段階に応じて家庭生活に関する教育の充実を図ることが提言されるとともに、次のような改善の基本方針が示された。

1 家庭を取り巻く環境や社会の変化に対応することができる教育であること

2 男女が協力して家庭生活を築き上げる能力を育てること

3 生活に必要な知識と技術を習得させ、生活の処理能力を育てること

さらに、女子差別撤廃条約の批准(昭和六十年六月)に対応するために、男女同一の教育課程を制度として確保する視点からの検討も行われた。

これらの経緯を踏まえ高等学校学習指導要領において、これまでの「家庭一般」に加え新たな科目として「生活技術」及び「生活一般」を設け、これらの中から、一科目四単位を男女ともにすべての生徒に履修させるよう改善がなされた。

 

家庭科の改訂

三 新しい家庭科教育の視点

 

三 新しい家庭科教育の視点

 

1 家庭の在り方を考え、家庭生活は男女が協力して築いていくものであることを再認識させること

2 家庭が、子どもの成長・発達にとってきわめて重要な場であることを認識させること

3 充実した人生をおくるための生活の自立、福祉の心、自己実現を図ろうとする意欲的、創造的な態度を育てること

4 マスメディアを含めた様々な情報手段について認識させ、氾濫す

 

 

 


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