教育福島0183号(1994年(H06)11月)-013page

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することとなった場合に、大いに役立つ学習をしていると思った。

・人々が今まで生きてきた中で得た「生活の知恵」の集大成を学んでいると思う。

・人生で迷った時役立つ。人間らしくなった。

と考え方が深まっていると感じられた。授業への生徒の取り組みは、概ね前向きかつ真剣であった。教科の意義や目標、生きる事、環境問題、家族のあり方等に強い関心を示し、中でも自己認識、他者理解については難しいといいながら熱心に学習した。当初の教科への認識を高め、学習内容を深めるという目標は達成されたようである。

今後、授業その他での生徒との対話にその意欲を見い出す事を励みとして指導を続けたい。

 

表1 「家族と家庭生活」指導資料と演習

表1 「家族と家庭生活」指導資料と演習

 

「家族の健康管理」「食生活と調理」指導実践

県立磐城高等学校

 

「家族の健康管理(食生活)」「食生活と調理」の指導に、本校では三十八時間を設定した。学習を進めるに当たり、本校生の卒業後の生活を考えると、ほとんどが進学し独り暮らしをすることから、まず、自分の健康管理ができるようになることを目標に、さらに家族の健康増進にも配慮できるように指導計画を立てた。現在まで行った「日常食の調理」六回の調理実習内容を紹介する。(表1)

 

第一回実習(柏餅・即席漬け・煎茶)

 

いわき地区で旧節旬に必ず家庭で作っていた柏餅を教材にし、地域の食生活や行事食について考える手がかりとした。実習後の生徒の感想の中に、一つの食べ物ができあがるまでのプロセスや苦労を知ったことや、祖父母とのコミュニケーションが図られ、家族との心の交流が深められたとの意見が多くみられた。

 

第二回実習(タイ米ピラフ・スープ・ゼリー)

 

実習前に日本の食糧事情について話し合いを持ち、食べ物を粗末に扱えないことを確認した。次にタイ米の特徴や調理法を調べさせ、おいしく食べるための調理法を選択させ実習させた。バターをたっぷり使ったピラフは、予想以上に美味しかったこと、さらに国際関係や社会問題を身近なものとして捉えることもできた実習であった。

 

第三回実習(ハンバーグステーキと市販品の比較実験)

 

材料の混合割合を変えた三種のハンバーグを作り、市販品と味の比較をし、手作りの良さを確認させた。品質表示の見方、食品の安全性、価格にまで学習内容を発展させ、さらにホームブリージングによる省力化について考え、応用力をつけさせた。

 

第四回実習(親子丼・すまし汁・青菜のひたし)

 

だしの取り方や青菜の茄で方等の基礎技術を身につけさせ、和食の特徴と配膳、マナーを理解させた。若者向きの丼物の工夫へと発展させて指導した。卵の加熱具合は難しかったが、ボリュームのある献立で、好評であった。

 

 

 


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