教育福島0183号(1994年(H06)11月)-031page

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では昭和三十年半ばのことでした。

当時は詩吟というと何か戦時中の頃を思い出し時代に逆行するような感じがあり、会の発足までに随分と時間が掛ったことを記憶しております。

しかし、このような推移の中で、私達の学ぶ「漢詩」は中国三千年の歴史を伝えた文学であり、この素晴らしい詩を正しい呼吸法で吟詠したなら必ず心身共に健康となると確信して参りました。

その後、間もなく昭和の吟聖「木村岳風」先生の片腕といわれた伊達郡伊達町出身の「鈴木岳楠」先生を師事する福島岳風会が誕生いたしました。

又、会津若松市においては「日新館」の精神を伝承しようとする「会津吟詠会」が鈴木天洲先生の主宰により活動をしておりました。

同じ詩吟を楽しむ団体同志として年に一度交互に訪問し、吟の発表会をという話がまとまり昭和四十二年十一月会津若松市の商工会館で第一回目の発表会を開催し、これが「福島県吟詠連合会」の初めでした。全国規模の岳風会の吟、伝統ある会津魂の吟との毎年盛大な交歓会が九年続きました。

昭和五十一年福島県主催で芸術祭の行事が開催され、新たに郡山の「神道流」、浜通りからは、茨城の講道館の流れを組む、東(あづま)流等の参加を得て“福島県吟剣詩舞連合会”と改称された。

その頃から詩吟はブームを迎え全国的に詩吟人口が増え続け、福島岳風会は千五百名を遥かに超え、又会津吟詠会も千名余となり、その後の参加団体も加え約四千五百名の組織が固まり、県内の芸術祭重点地区で吟道大会が行なわれる様になった。

(現在二十六団体=約五千名)

昭和五十八年には財団法人日本吟剣詩舞振興会の公認を受け、福島県吟剣詩舞連合会は福島県吟剣詩舞道総連盟に加盟しました(県総連)。

福島県主催の芸術祭には創設以来毎年参加の実績を持ち、本年は第二十八回目の白河大会を迎えることができました。地味ながら各団体共心を合わせ、ここまで来れたのは初代理事長鈴木天洲先生、二代目塩田天光先生、現理事長佐藤岳養先生、お三方の暖かいご指導の賜と感謝申し上げている次第です。

来年はいわき大会、再来年は第三十回福島大会になりこの節目に当たり会員一同記念大会により一層の協力のもと、記念大会に相応しい内容をと計画しております。

昨年平成五年度の活動情況は、クラウン吟詠コンクール東北地区予選会を六月二十七日郡山市公会堂で三百名が参加。九月二十六日県芸術祭参加第二十七回吟道大会が相馬市市民会館において、吟友千名が集い、盛会に開催、千名参加した。何れの行事にも年々参加者は確実に増えております。

十月十日には文化庁主催国民文化祭いわて’93が、盛岡市において盛大に行なわれ、県総連盟の各団体から福島岳風会(男子)、神道流吟詠会(女子)吟詠静風流福島県本部(女子)の三チームが合吟で参加し全国から集まった吟友の前で堂々と日頃の成果を発表いたしました。

今後は県内各流各派の会員一同これからの高齢化社会に向かって生涯学習を目標に、一つひとつの事業を充実させ意義あるものとしてゆきたいと願っております。

 

 

 

 

 

 

 


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