教育福島0183号(1994年(H06)11月)-037page

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計画に基づいて実践を行い、計画の改善を行うことにより「活用計画」の内容の充実を図ることができた。また、教科によりコンピュータの活用状況は異なるものの、「活用計画」に沿った授業を展開することができた。

(2) 自作ソフトの充実

「コンピュータ活用計画」に基づいてコンピュータソフトウェアの作成を行い、わずかではあるが、これまでの自作ソフトウェアに新しいものを追加できた。

(3) コンピュータの機能の理解と操作技術の向上

コンピュータ実技研修や自主研修等を通して、教職員のコンピュータの機能に対する理解が深まるとともに、操作技術の向上がみられ、さまざまな場面でコンピュータを活用する教職員がふえてきた。

 

(二) 生徒について

 

(二) 生徒について

(1) コンピュータの活用と学習意欲の向上

授業の中でコンピュータを活用することにより、生徒はコンピュータを身近なものと感じ、意欲をもうて授業に取り組んでいる。また、コンピュータ室での授業を心待ちしている。

(2) コンピュータ・リテラシーの充実

学年や個人によって差はあるものの、生徒のコンピュータ操作技術は進歩している。特に、操作技術の進んでいる生徒は、他の生徒を指導できるようになった。

また、授業でコンピュータに向かうときも、ごく自然にキーボードをたたく姿が見られる。

(3) コンピュータの活用範囲の拡大

科学部(クラブ)の活動や統計グラフコンクールの出品と生徒のコンピュータ活用の分野は広がりを見せている。平成五年度統計グラフコンクールでは、最優秀学校賞、教育長賞一点、協会長賞二点、佳作三点が入賞した。また、平成六年度、奨励学校賞、教育長賞一点、統計協会長賞一点、佳作三点が入賞した。(作品例、図3)

このほか「選択数学」や「選択技術」の授業でも、積極的にコンピュータを活用しているので、今後は学校生活ばかりでなく、私生活においても、生徒のコンピュータ活用の場面は増えてくるものと期待される。

 

図3 統計グラフコンクール作品例

2 課題

 

2 課題

(一) 自作ソフトウェアの作成に伴う

負担の軽減

研究組織の中にソフトウェアの作成を担当する「コンピュータ部」をおき、負担の軽減を図ってきたが、ソフトウェア作成に費やさなければならない時間と労力をいかにして削減するかが大きな課題である。

(二) コンピュータ活用の一層の促進

コンピュータを授業の中で活用するようになってきたが、まだほとんど使用していない教科もあるので、各教科の特質を考慮しながら、ソフトウェアを充実させ、効果的なコンピュータの活用ができるように工夫して行く必要がある。

(三) コンピュータ活用の場の諸問題についての検討

本研究は、コンピュータの持つ利点をいかに授業の中で生かして行くかということに焦点を当てて進めてきたが、コンピュータ使用上の問題点、例えば視力低下など身体に与える影響や精神面に与える影響についても研究を進める必要があるのではないかと考えている。

五 研究を終えて

コンピュータ活用の研究を進める上で、ソフトウェアの充実が必要である。そのために、ソフトの自作により対応してきたが、今後は汎用ソフトや学習内容にあった専用ソフトも必要である。

また、各校が独自の研究を進めるとともに、それらが連携することにより研究を積み重ね、一層の促進を図っていく必要がある。

 

 

 


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