教育福島0184号(1995年(H07)01月)-013page
た。作品も原稿用紙一枚がやっとであった。ところが実践3では、構成ができるようになり、“植物動物博士”と自他共に認めるS児らしい「メダカの観察記録文」を二枚も書き上げた。大きなプラスの変容を見せた。
(2) 学級全体の変容
1) 基礎的・基本的内容の達成度
基礎的基本的内容の定着については、題名を工夫したり、取材の方法がわかり必要な事柄を選び書き留めることができ、また、効果的な構成ができる児童も多く見られるようになった。
2) 諸検査に見られた諸変容
以前実施した情意面診断テストを再実施した。「作文を書くことがすき」という児童が増えていた。全国標準学力テストでも、「構成」の正答率が、全国の通過率を追い越し、大きな伸びを見せていた。
4 表現学習に関する意識調査 略
資料5 教師用評価記録用紙
資料6
児童の相互評価の内容
どんな感想、質問、アドバイスをしていたか
五、研究の成果と課題
(1) 成果
○活動の複線化は、個に応じて児童の関心意欲を高め、学び合い共に高まり合う喜びを感じさせた。
○自己評価カードで自己を振り返り教師の賞賛を受け、自信がつき、自己学習力の伸長につながった。
○相互評価により、望ましい学び合いが見られ、作文の書き方がわかり、以前より長くたくさん書くことができるようになった。
○教師が、児童の学習の過程を評価することにより、結果だけからは分からないその子のよさや文章表現上の個性が具体的に把握できた。また、児童の目前での評価は、児童にとって理解しやすく定着しやすい。
(2) 今後の課題
●児童の目前での即時評価の方法や複数教師の協力教授法など、評価の生かし方を探ると共に、さらに個に応じた指導の在り方を追求していきたい。
●基礎的基本的内容の評価規準を児童にどう提示するかは、直接学力の定着にかかわってくることから、特に評価規準を吟味する必要がある。
●興味・関心・意欲・態度の目に見えない情意面の評価について、どう評価するかさらに考えていきたい。