教育福島0184号(1995年(H07)01月)-014page
自ら学ぶ意欲・能力を育てる指導
−学校内外の「学習センター」における具体的な活動や体験を通して−
郡山市立赤木小学校
一、研究の趣旨
1 研究主題設定の理由
(1) 学校教育の今日的課題から
児童が、変化の激しい社会において主体的に生きていくことのできる資質や能力を育成するためには、新しい学力観に立ち、児童一人一人のよさや可能性を伸ばす教育へと学習指導の質的改善を図る必要がある。
(2) 本校教育目標具現化の視点から
一人一人の児童を生かす教育の充実に努め、自ら学び取る主体的な態度と基礎的・基本的な内容を身につけた心豊かでたくましい赤木小学校の児童を育てることを教育目標に設定している。
(3) 本校の研究の発展から
平成二年度まで推進してきた「図書館教育」の研究実践をさらに発展させるため、学校図書館の機能を拡大し、新しい学力観に立つ教育の具現化を試みようとした。すなわち、学校図書館を「自ら学ぶ意欲・能力を育てる」ための機能をもった「学習センター」の核として位置づけた。
二、研究主題の基本的な考え方
1 「自ら学ぶ意欲・能力」とは
「自ら学ぶ意欲」
他人から強いられて学ぶというのではなく、学習を自らの意思によって続行させる意欲
「自ら学ぶ能力」
解決すべき課題に対して、必要な情報を収集・選択・活用・伝達・保存する力(情報活用能力)を中核とする、主体的に思考し、判断し、表現することのできる能力
2 学校内外の「学習センター」とは
学校内外の「学習センター」
児童の主体的な学習活動を促進する環境
−各教室や学校図書館、NIE活動をはじめとする校内の環境はもちろん、地域の施設・地域の自然・地域の人材等の校外の環境をも含む、児童が情報を獲得して学ぶこと、学び方を学ぶことのできる場所−
三、研究仮説
1 研究の焦点化 (省略)
2 研究仮説
学校内外の「学習センター」における具体的な活動や体験を主とした学習活動において、生活科・社会科及び読書活動を中心に次のような手立てを講じれば、児童の自ら学ぶ意欲・能力が育つであろう。
(1)「個に応じ、個を生かす」ための実態把握
(2)「支援」に重点をおいた授業
(3)学校内外の「学習センター」を活用した活動
(4)多様な「読書活動」の推進
四、研究計画 (省略)
五、研究の実際
1 「個に応じ、個を生かす」ための実態把握
(1)児童の学習に対する傾向等についての実態調査
三年生以上について、児童一人一人の学習に対する傾向、児童自身がとらえた自分のよさ、どんな時にやる気が起きるか等について児童を多角的にとらえるための調査を行った。
また、低学年については、発達段階を考慮して、生活科の学習についての実態把握のための調査及び単元が始まる前に児童や保護者に学習内容にかかわる実態調査を行った。
(2) 「個人カード」による児童理解
実態調査から一人一人の個人カードを作成するとともに、教師側から見た児童のよさや日常の学習活動の様子、教師の支援活動等も記録することができるようにした。
児童の自己診断による実態調査であるため、教師のとらえ方とは違う結果も出てきたが、かえって子ども