教育福島0184号(1995年(H07)01月)-030page
大切なことだと思う。普段の生活ではふれあうことが少ない活動を通し、今までの経験からは考えられない領域の感性を発見する生徒等。このひとときのふれあいを心から喜んで接して来る障害児者のやさしさに圧倒され、説明のしようがないショックを受けながら、それを彼等の若い精神がしっかりと受け止めてたちまち友情が始まる。そして、あっという間にそのひとときは終る。高校生は学校に、障害児者はそれぞれの施設に戻る。
自然なふれあい活動を継続させ根付かせるのは、なかなか難しい。それでも少しずつ高校生たちに潜在しているやさしさを気付かせ、行動に移さなければ変化は生じて来ない。初めて参加して戸惑った生徒等も特老のお年寄りや障害児者とのふれあいで得たたくさんの思いやりの宝を抱えて輝いて来る。
現在の私たちにも「老い」という障害が必ず平等に襲って来る。皆が広く思いやりの心を持った社会があれば、ごく自然の生活の中で生きがいのある人生をずっと送れるはずである。
(県立原町高等学校教諭)
自分の体は自分で守る
梅宮とも子
「自分の体は自分で守れる子」
これは、健康な子供たちの育成を願った本校の望ましい児童像の一つです。 、
子供自身の、子供自身による健康管理を目標に保健活動を進めていますが、家庭の協力の必要性を切に感じています。そこで、PTAと連携し、「親子でがんばろう運動」と銘打った活動に着手しました。
この活動の一つとして、毎月八日を「歯の日」と決めています。その前後一週間をよい歯の週間とし、一週間毎に親子で決めためあてについてがんばったことを反省することにしました。以前に、月に二回甘いおやつを食べない日を設定したことがあります。しかし、誕生日や家庭のお祝いごとと重なり、守れないことの方が多くなってしまいました。そこで、日を限定するのではなくて、それぞれの家庭で目標を決めて実行する方法に変えてみました。おやつの組み合わせや食生活の見直しを通して、甘い物の摂取についてある程度セーブできるようになってきたことは、家庭の協力による大きな成果です。
また、年五回の歯の染め出し検査を実施しています。回を重ねるごとに白い部分が多くなるのを見て、子供たちは「ワァーッ、どんどんきれいになっていく。」とうれしさを隠し切れない様子でした。その裏には、学校との連絡カードを通した家族ぐるみの涙ぐましい努力がありました。
一方、校内で子供たちが主体的に取り組む活動にも力を入れています。例えば、児童会の保健委員会では、自分たちでできる身近な保健活動を実践しています。特に毎月八日は、子供たちの活躍する日です。集会活動やテレビ放映を通して、「よい歯」ばかりでなく、その他の保健活動についても啓発活動を行っています。
具体的には、集会活動では、よい歯やよい目の集会で発表・紙芝居・クイズなどを行っています。テレビ放映では、歯槽膿漏やかぜの予防のためのテレビクイズや紙芝居などを行っています。
子供たちは、紙芝居を作ったり、発表のための練習をすることに喜びを感じ、熱心に取り組んでいます。また、子供たちによる身近なクイズ出題なので、「自分の健康について具体的に理解できてとても楽しい。」という声が多く聞かれます。
このような子供中心の活動が、自分の体は自分で守るという意識を育成するために、大変効果をあげてきています。これからも短い時間でも楽しくできる活動を取り入れて、保健意識の高揚と実践態度の育成に努めていきたいと考えています。
(会津高田町立永井野小学校養護教諭)