教育福島0184号(1995年(H07)01月)-035page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

・【共通性】=四校とも取り上げる

最大公約数的な研究内容

これは、授業の質的な改善を図るためのものであり、主な内容は次のとおりである。

一人一人の実態をとらえ、子供たちの学習に対する願いや考えを授業の中で生かす工夫や問題解決的な学習、体験的な学習活動の積極的な導入を図り、学習指導案の基本型の作成、指導と評価の一体化をなす評価への改善を図るための観点別評価規準表の作成など共通的な研究に取り組んだ。

・【重点性】=各校が実態に応じて重点的に取り組む研究内容

これは、「共通性」の内容の中で、各校が実態に応じて責任をもって研究推進するものである。

・【独自性】=各校の実態や特色を十分発揮できるようにした研究内容

これは、各学校が共通研究主題をもとに独自の研究主題を設定し「共通性」「重点性」の研究内容と関連させながら、独自の研究内容で研究深化を図るものである。

(三) 研究の方法

「共通性」「重点性」「独自性」の研究内容に分け、ネットワーク委員会・合同授業研究会等の機会をとらえ、研究の視点を明確にし、小・中・高のネットワークを強めながら河東町全体の児童・生徒の学力の向上をめざして研究を推進した。

その結果は次のとおりである。

 

(表1) 児童生徒の変容

 

三、児童・生徒の変容

 

三、児童・生徒の変容

本町では、研究主題を踏まえ、学習におけるめざす姿をもとに、継続的にアンケート方式で児童・生徒の意識を調査してきている。三年間の調査結果から、その変容と考察について述べる。(表1参照)

〇考察

この調査からも、新しい学力観に立った授業の創造に向けて研究を推進した結果、子供たちが着実に好ましいよい方向に変容していることが伺える。今後もこの成果を継続しながら合同授業研究会等を通して小・中・高等学校のネットを一層深め、それぞれのよさを今後の授業づくりに生かしたい。

 

四、研究の成果と課題

(一) 研究の成果

○ 研究内容については、「共通性」「重点性」「独自性」に分け研究の深化を図ったことにより小・中学校教育ネットワークプラン事業のねらいを十分に踏まえながら、各校のもつよさを生かしながら研究に取り組むことができ、大変効果的であった。

○ 合同授業研究会では、活発な話し合いを通して、お互いの研究の「重点性」や「独自性」の研究内容についての認識が深められ、それが本研究への意欲を大きなものとしている。

また、小・中学校のネットワークについては、その重要性.を実感として感じ取ることができ各学校が指導法の改善へ向けての連携が一層高まってきている。

○ 児童・生徒の変容については三年目にして、自ら学ぼうとする姿、自ら考、えようとしている姿、積極的に発言しようとする姿などが授業を展開していく中で多数見られるようになってきた。

また、児童・生徒の学習に対する意識だけでなく、教師の授業に取り組む意識もよりよい方向に変容してきた。

学力検査による変容についてもすべての観点とはいえないものの、望ましい傾向になってきている。

(二) 今後の課題

三年間の本事業の研究指定も終わり、平成七年度からは、自主研究になるので、組織編成や研究方法の再格討を行い、「共通性」「重点性」「独自性」を重視し一層の研究の充実を図っていく考えである。

また、児童生徒の変容については、好ましい方向へゆるやかでも着実な伸びが継続できるように日々の授業を大切にしていきたい。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。