教育福島0184号(1995年(H07)01月)-046page
教育事務所発
〈わたしの学校・ぼくらの活動〉
県北教育事務所
〒960 福島市杉妻町5-75
花いっぱい夢いっぱい豊かな心を育む環境
月舘町立月舘小学校
全国初のソーラーシステム導入校舎
二本松市立原瀬小学校
全国の小学校で初めてのソーラーシステムを導入した新校舎・屋内運動場が、平成六年七月に同時に完成しました。
冬は屋根のソーラーで集熱された空気を屋根裏に設けられたファンで壁や床にある空間に送り込んで室内を暖め、夏は室内の熱を外に吸い出す仕組みです。
鉄筋コンクリート造りでありながら、内装には檜集成材などの木材が豊富に使用されているため、木造の優しい感じのする造りで、地域の誇りです。
約百二十年続いた前の校地は上原遺跡のため、西方に約五百メートル離れた高台に移転新築されました。
パソコン教室や多目的教室を初め特別教室も完備し、学校教育の多様な変化に対応できる機能が重視され、安全性や健康面への配慮もなされています。更には地域の自然や文化を学習し、大切にする場として校舎や屋内体育館、校庭の各所に工夫がなされています。「郷土を愛し、心豊かにたくましく生きる子どもの育成」の教育目標達成にふさわしい校舎です。
新校舎
生活科ロングタイムの実践
−−ぶどう栽培−−
国見町梁川町大枝小学校組合立大枝小学校
本校では、地域の特色を生かした「ぶどう栽培」を生活科に取り上げ地区の方の協力のもとに一・二年生が四月からぶどう作りに取り組んできました。主なねらいは、次の四点です。
(一)地域素材の教材化を図る。
(二)一つの教材をロングタイムで実践することにより、生活科のねらう基礎的・基本的事項を系統的、計画的に進めることができる。
(三)「自分のぶどう」を継続的に育てあげた時、「やった。」という満足感や成就感を持つことができる。
(四)自分の住んでいる地域のよさに気づき、地区の人々への尊敬や畏敬の念が持てる。(学社連携の教育)
「芽かき」「適すい」「適粒」「ジベレリン処理」等専門用語や難しい作業の連続でしたが、世話するごとに成長するぶどうの様子から、更に次の段階へ挑戦していく児童の姿勢には、目を見張るものがありました。九月に収穫を迎え、自分の「たった一房のぶどう」を手にし、育て上げた喜びにあふれる児童たちの輝く瞳が実に印象的でした。
成果は、1)育てる過程を通して、作業の大切さと苦労を体験し、「もの」を大切にする心が育った。2)地域のよさや地区の人への尊敬の念が芽生えた。3)畑の行き帰りの中で挨拶等が身についてきた等です。
地区の方の「よい後継者づくりができた。」という声が印象に残った活動実践です。
ぶどう作り活動