教育福島0184号(1995年(H07)01月)-047page
意欲を高め育てる生活指導
福島市立吾妻中学校
本校は、平成五・六年度の二年間、福島市教育委員会から「生徒指導」の研究推進の指定を受け、研究主題「意欲を高め育てる生徒指導」のもとに研究を推進してきました。
「学習活動や諸活動において、生徒指導の機能を生かした『話し合い・発表・体験活動の場』を意図的に設定し、適切な支援を行えば、生徒一人一人の意欲が高まり、主体的に活動できるようになるであろう」という見通しに立って、一年次は、諸活動を中心に、二年次は、その成果を基盤にした学習活動を中心に実践研究の深化を図ってきました。
一年次の諸活動での取り組みは、特別活動を中心に、生徒が意欲を持って主体的に活動できる場を意図的に設定することでした。諸行事において生徒一人一人を生かすために、行事のたびごとに、積極的に「話し合い・発表・体験活動」を取り入れ、従来の行事の質的改善を図りました。学校行事の体育祭・文化祭等では、多くの生徒の意見を募り、今まで行われていなかったものを取り上げ、それを生徒が企画立案・運営してきました。これが、現在の生徒たちの明るさにつながっていると思います。
二年次は、主に学習活動での生徒の意欲の高揚を図るために、指導過程の改善に努めました。課題解決的な指導過程の中に「話し合い・発表・体験活動の場」を意図的に設定し、生徒指導の機能を生かしながら、適切な支援を与えることによって、自ら解決しようとする態度を育ててきました。このことが、学習面で生徒たちに大きな自信をつけ,させました。
これらの実践を通し、一人一人が自己決定をしたり、自己存在感を持ったりしたことで生徒たちの表情が生き生きとしてきたことは、本研究での大きな成果です。
「学校へ来るのが楽しい」と多くの生徒たちが言えるよう、今後も意欲を高め育てていく教育を推し進めていきたいと考えています。
研究授業
「地域少年少女サークル活動促進事業」
(ぼくらがつくるジョイフルサタデープラン)
霊山町立石田小学校
今年度、石田小学校では、石戸公民館主催の地域少年少女サークル活動(冒険学校)に三年生以上の児童が参加しています。
冒険学校の目的は、社会人の指導者のもと、サークル活動を通して児童が主体的に生活できるような体験の場作りです。
活動は計十回、六月から来年の三月までの第二土曜日を中心に行われ、普段の生活ではなかなか体験できないようなことに取り組んでいます。
今回は、児童からも大好評だった「イカダ作り」を紹介します。
活動は材料集めから始まりました。材料は竹。石戸公民館に集合した子供たちは、地区のお年寄りを指導者に竹切りに挑戦です。全員が初体験ということもあり、手ほどきを受けながらも汗まみれで竹引きに取り組んでいました。
そのあとは、切り出した竹運びとイカダ作りです。
子供たちに、切りそろえた竹をビニルのひもで手際よく結び、二時間がかりで長さ約三メートル、幅一・二メートルのイカダを作りました。
完成させた二隻のイカダを梁川町の広瀬川まで運び、いよいよ川下りです。作ったイカダが確かに浮くかどうか心配そうな顔、顔。無事進水したときには、顔もホッとなごみ、拍手やら歓声やらでわきかえりました。指導者からも「こんなに思い通りに浮かんでくれるとは!」という声がもれるほどの出来映えでした。
そのあと二隻のイカダは、赤十字号、ハヤブサ号と名付けられ、夏の昼下りのひととき、子供たちの川遊びのお伴をしていました。
このイカダ作り・イカダ下りの活動を通して、子供たちはやりたいことを実際にやり通す喜びを感じ取ることができたように思います。また、協力の大切さや上級生と下級生のつながりの大切さを更に感じ取ってくれたように思います。
残された活動に夢がふくらみます。
事業内容