教育福島0185号(1995年(H07)02月)-030page

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研究実践

  

郷土を愛し豊かな心を育てる学校給食

  

〜学校・家庭・地域の連携を通して〜

  

 

  

平成5・6年度

  

文部省学校結食改善研究指定

  

日本体育・学校健康センター

  

「学校給食における学校・家庭・地域の連携推進事業」委嘱

  

岩瀬郡天栄村教育委員会

  

天栄村学校・家庭・地域連携推進委員会

  

岩瀬郡天栄村立広戸・大里・牧本小学校

  

岩瀬郡天栄村立天栄中学校

  

 

  

一、研究主題設定の理由

  

(一) 地域の実態と今日の課題から

  

今日の本村の実態を見ると、農村地域ではあるが、地域社会の発展に伴い共働き家庭の増加や農業離れなどによる家庭での食生活は著しく変化してきているといえる。市販調理品や外食の利用など、手間のかからない簡易な食生活が営まれる傾向が見られ、家族のだんらんや家庭を愛する心の欠如、食生活の不規則さからくる栄養のアンバランスや間食、偏食などさまざまな問題が表われてきている。

  

(二) 学校・家庭・地域の連携から

  

学校・家庭・地域の三者が学校給食を通して連携し、児童生徒と保護者の食生活に関する意識の改善を図り、生涯にわたり健康でたくましく学び続ける力と勤労生産学習を通して郷土を愛する心を養うため本研究主題を設定した。

  

二、研究の見通し

  

(一) 研究仮説

  

学校・家庭・地域の三者が連携を図りながら、学校給食についての意識を高めるとともに、地域の恵まれた自然の豊かさを学校給食に生かしていけば、児童生徒の郷土への関心が深まり、豊かな心が育つであろう。

  

(二) 研究の見通し

  

1) 三者の連携を図るために

  

食生活に関する実態調査を通して、家庭や地域における食生活や基本的生活習慣などを把握する。各種たよりの発行、学校給食の試食会や教育講演会を通して家庭への啓発を図る。また、本村住民福祉課を中心に栄養改善事業を実施し、調理講習会を通して、家庭・地域の食生活の改善と充実を図る。

  

2) 給食への意識を高めるために

  

給食の時間や学級活動の時間を通して、食生活に関する正しいマナーや食事と安全・衛生に関する知識を身につけさせる。

  

3) 豊かな心を育てるために

  

給食活動を通して、児童生徒同士、児童生徒と教師、子供と家族・地域の人々とのふれ合いにより、人間関係を豊かにする。

  

また、野菜づくりなどの勤労生産的な活動を通し、自然の恵みと勤労の大切さを知り、奉仕の心や勤労意欲、感謝の心を育てる。

  

4) 郷土への関心を深めるために

  

地場産物や児童生徒が栽培した野菜、郷土食・行事食を給食に積極的に取り入れる中で、地域の良さ、郷土の良さを理解させる。

  

三、研究組織

  

組識図

  

 

四、研究の実際と成果   

 

  

四、研究の実際と成果

  

(一) 学校部会

  

1) 学校給食の改善

  

食生活の実態調査は、児童生徒の食事に対する意識や家庭での食生活の実態を的確に把握でき、指導の手立てを講じる上での基礎資料として役立った。特に、「献立に基づいた指導計画」による学級担任の毎日の給食指導や栄養士が作成した献立、栄養に関する知識を放送で流したことは、児童生徒に食生活に関する興味や関心を高め、正しいマナーを育てた。

  

 

豊かな自然の中で「野外給食」(天栄中学校中庭)   

豊かな自然の中で「野外給食」(天栄中学校中庭)

  

 

  

2)給食形態の工夫

  

花見給食、交流給食、野外給食など多様な給食の形態を工夫したことにより、給食の時間がより楽しい時間として位置づけることができた。特に、交流給食では、学年、学級の

 

 

 


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