教育福島0186号(1995年(H07)04月)-017page

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豊かな心を育て、実践力を高める道徳教育

道徳の時間の充実と特別活動等における道徳的実践の指導を通して

都路村立都路第一中学校

 

一、研究目標

1 道徳的実践力を高め、豊かな心を育み、人間としてのよりよい生き方の自覚を深めるための、道徳の時間の指導のあり方を明らかにする。

2 内面に根ざした道徳性を育てるための、特別活動等における道徳的実践の指導のあり方を明らかにする。

二、研究実践の概要

1 授業研究部

研究主題を受けて三つの観点を設定し、道徳の時間の充実を目指して研究を進めた。

(一) 道徳的実践力を高める授業の研究

道徳的価値の内面化を図る手立てを工夫するとともに、実践研究部と協力しながら、各活動と道徳的価値の見直し、実際の生活に生かせる道徳的実践力を高める授業を研究する。

(二) 資料の充実・分析・活用方法の研究

資料の充実、内容の分析、資料提示の仕方を含めて有効な活用方法を研究するとともに、資料の選択も工夫する。

(三) 指導過程・発問の研究

授業実践の具体的目標として、五つの観点をあげ、道徳的価値について十分学習できるよう工夫する。

2 実践研究部

道徳の時間の指導によって培われた道徳的実践力を、体験的な活動と十分関連させるとともに、実践していく場としてふれあい奉仕活動を設定した。

(一) 事前援助

(1) 各班の担当教師が活動の目的・内容について説明し、生徒の意識を高める。

(2) 各班ごとに活動内容や役割分担等について、班長を中心に話し合いをさせる。

(二)実 践

(1) まどか荘交流班

1) 寮母の指導の下で老人の介護をする。(つめ切り、ひげそり、水分補給、散歩の補助など)

2) 茶話会、敬老会などの行事に参加し、食事の介護や余興を一緒に楽しむ

(2) 奉仕活動班

1) 一父流班以外の班で行う。

2) 通学路のクリーン作戦、中庭の手入れ、村施設の清掃などをローテーションで行う。

(三) 事後援助

(1) まどか荘交流班

1) 活動終了後に、寮母や所員を交えて反省会を行い、次回の活動に生かす。

2) 体験文集を作成し、教師は生徒の変容をとらえる。

 

(2) 奉仕活動班

 

(2) 奉仕活動班

1) 反省アンケートに記入させ、次回の活動に生かす。

3 調査研究部

アンケートや諸調査の実施により生徒・保護者・教職員の実態や意識の変容を把握し、実際の指導に生かせるようにした。

(一) 実態調査について

(1) 道徳性診断検査による実態把握と変容の分析。

(2) アンケート調査による実態把握と変容の分析。

(二) 資料の精選と収集について

(1) 生徒の道徳性の実態調査から得られた結果をもとにして、道徳の時間に活用する資料の吟味と分析をする。

(2) 調査結果を反映させた年間指導計画を作成する。

三、研究の成果

特別養護老人ホーム「都路まどか荘」でのボランティア活動、地域や学校内の美化活動への取り組みにより、福祉の心や思いやりの心、ものを大切にする心や協力する心の大切さを実感し、「ふれあい奉仕活動」に対する関心や意欲が高まりつつある。

四、今後の課題

1 生徒会活動をはじめとする特別活動と道徳の時間との関連を重視するとともに、活動の中心となるリーダーを養成していくこと。

2 校内における道徳教育の研究の成果を、家庭や地域社会の中に生かされるよう、家庭・地域との連携を強化していくこと。

 

 

 


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