教育福島0186号(1995年(H07)04月)-021page

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りました。

3 試案C(社会生活技能を高める指導援助)

四つの指導援助の方向性のうち「人間関係を醸成する指導援助」と「集団の中で自己表出が促進される指導援助」に焦点を当て、様々な社会生活技能の中から「あいさつ」を取り上げ、SST(社会的スキル訓練)の手順を参考に生徒一人一人に達成したい目標行動を設定させて、励ましたり、いいモデルを観察させたりしながら対人交流の活発化を図り社会性を高める援助をしました。

生徒は本試案の実践に意欲的に取り組み、「あいさつ」に関する社会生活技能の向上と「あいさつ」を肯定的に受け止める感情面での変容が認められました。さらに、学級内の相互コミュニケーションを一高めることもできました。

 

【「あいさつ」を取り上げた実践の様子】

 

【「あいさつ」を取り上げた実践の様子】

 

三、第二年次研究のまとめ

各試案の事前・事後に行った調査の結果を下のグラフのようにまとめました。(表3)

学校不適応意識の八項目のうち六項目、学校不適応状態の九項目のうち五項目でそれぞれ数値が減少し、友人関係にかかわる学校不適応意誠や状態が軽減したことがわかりました。このことから、三つの指導援助試案の実践によって、生徒一人一人の個性を生かした望ましい人間関係の醸成が図られ、学校不適応児童生徒の集団への適応力が高まったことが明らかになりました。

以上のことから、学校適応へ向けて望ましい指導援助の在り方を探るという本研究の所期の目的を達成することができたと考えます。

今後、さらに効果的な方法を探るために、次のような点に留意して研究を深めていきたいと考えます。

 

・ 試案の内容や方法、期間の検討

・ 児童生徒の実態に応じた調査内容の検討

・ 児童生徒の変容を把握する調査の充実

 

表2

 

表2

 

表3

 

表3

 

 

 


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