教育福島0186号(1995年(H07)04月)-033page

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勤務する父親二十五名と子ども三十六名を対象として六回の事業が展開されました。

その中には「子どもの職場見学」により父親の働く姿を通して子どもが父親の存在感を認識する機会を与えたり、共同作業としての料理教室、さらには史跡や人物等から白河市の歴史を探索する内容が含まれており、最終回では那須甲子少年自然の家での一泊二日の宿泊研修による親子でのふれあい活動が実施されました。

参加者の感想としては、日頃父と子が共有する時間がいかに少ないかを実感し、貴重な体験であったことを感謝するとともに、このような機会の提供をさらに望む声が多くありました。特に、父親の働く姿を見ることの反響の大きさが親にも子にも同様にあったことはこの事業の大きな収穫でした。

さらに、家庭教育に関する講演や講義を父親が聞くことで、家庭での役割やその責任を理解することができ、あわせて自然の家での宿泊研修や親子料理教室等の活動を通して、今までの生活を振り返り、子どもとふれあうことの大切さや父親に期待される子育ての在り方等を十分に感じ取ることができたように思われます。

四、事業の成果や今後の課題

従来から行われていた企業内家庭教育学級は、第一に講座を実施する企業の協力が不可欠でしたが、本事業が成果をあげるためにも企業との連携・協力が必要となります。

本年度の事業に当たっては、いずれの市町村の企業においても企業主がその趣旨を理解し従業員の参加について協力的であったことが成功の大きな要因となりました。

民間企業は第一に生産性の向上や他企業との競争という厳しい状況の中におかれ、そのような状況の中でこのような事業を受け入れることにはかなりの困難な点があったと思われます。参加者としても休日開催や夜間の開催希望が多く、勤務時間内に実施することへの抵抗がまだ残っているようです。

父親として、家庭教育の大切さや役割を理解してもこのような事業に参加する時間的余裕がないというのが実態ではないかと思われます。

この種の事業の実施にあたっては社会状況を十分考慮して進めなくてはならないが、週休二日制の普及をはじめとする社会的背景や家庭をめぐるさまざまな状況を踏まえるとき、困難を克服して事業を実施する姿勢が今後とも必要ではないでしょうか。

また、この事業が全国紙、地方紙、市町村の広報紙等で先導的な試みとして大きく報道され、県民に父親の家庭教育での重要性について広く啓発することに役立ったことは大きな成果としてあげられます。

 

平成6年度 父親の家庭教育参加支援事業内容(白河市)

 

「お父さん教室」活動計画(国見町)

 

「お父さん教室」活動計画(国見町)

 

 

 

 

 


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