教育福島0187号(1995年(H07)06月)-015page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

遊びなどの集会活動を実施している。登校班は、登校時のみの活動にとどまらず、自分たちで企画運営し、楽しい時間を創り出している。また、同様に、清掃活動でもたてわりの班を編成し、児童相互の協力関係を深めている。

2 学年、学級行事の取り組み

学級経営の中で、児童個々に存在感を持たせるような視点を持たせ、児童個々に出番を用意するよう配慮し、児童同士の連携、支援が深められる活動を充実してきた。

(一) なわとび大会、球技大会

なわとび大会の学級種目においては、話し合いの中で学級の目標を立て、達成のために協力して練習すること、球技大会では、学年の枠を越え、話し合いでチームづくりをしていくことなど、競争をややめ、児童同士の連携、支援を深めている。

二 児童理解を深める取り組み

児童理解を深めるためには、教師の力量を高める研修は欠くことができない。そこで本校では、教師に児童の心理的な側面を理解させる研修会を持つようにした。また、事例研究会をもって、教育相談的な実践的研修会を開催している。中でも「児童の話をどう聞くか」「児童に向けて教師がどう話したらよいか」という点を中心に研修会を進めてきた。

三 今後の課題

今まで行ってきたたてわりの活動では、教師の意図的な関わりが十分ではなかった。そこで今後、グループ・エンカウンター(遊びやゲームを通じて自分自身をみつめ直して生活体験を広げていくこと)を児童の活動に取り入れ、意図的なグループ体験をさせていきたいと考えている。

 

研究実践3)

 

研究実践3)

わが校における

いじめ問題への取り組み

表郷村立表郷中学校

 

本校では、個々の生徒を理解し伸ばす学級づくり、道徳的実践力を育てる道徳の授業、主体性を培う生徒会活動等を通して、教師と生徒及び生徒相互の人間関係を深めることに努め、いじめ問題に取り組んでいる。

一 各学級では

教師と生徒の人間関係づくりに重点を置き「お互いの『よさ』に気付き励まし合うことができる学級づくり」を目指している。

教師が生徒の内面を理解する一つに、交換日記がある。これは、学級担任が、生徒に学習習慣を身につけさせるため、家庭学習ノートを作成しているが、その枠外を利用しての鉛筆対談である。生徒は、学習後、一日を振り返り、悩みや自分の考え等を本音で書いてくれることが多い。

 

(A子)「昨日私は『給食の時間にBさんからもらったプリンをC君に横取りされました』と書いたのに、『大変よくできました。』しか書いてくれなかったので、がっかりしました。ひどいと思います。」

(D教諭)「面目無い。今度からよく読むようにします。今日はお詫びの印に花丸をあげます。」

 

D教諭によると、初めは学習点検だけのつもりだったが、回を重ねるうちに毎日何が書いてあるか楽しみになり、悩みに答える度に生徒と精神的な親近感を覚えるようになったということだ。

二 道徳の授業では

生徒一人一人の道徳的実践力の向上を目指し、自分を振り返り、見つめる時間になるよう努力している。

資料は、読み物ばかりでなくビデオ等の視聴覚資料の活用を図り、生徒に興味関心を起こさせ、意欲的に進めることができるようにしている。

例えば、「あしたの選択」という授業(写真参照)では、ビデオ視聴後、生徒個々に考えさせた。

 

中3 道徳授業「あしたの選択」

 

中3 道徳授業「あしたの選択」

 

生徒にとって進路問題は身近なので、非常に興味を引き、意欲的に授業に取り組んだ。視聴したことを基に話し合わせたところ、生徒は、主人公の自分勝手な考えが家族の協力によって成り立っていたことに気づいた。そのうえで、生徒自身の生活を振り返えらせると、自分が改めて

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。