教育福島0187号(1995年(H07)06月)-017page
り、問題の早期発見と即時対応に努めた。
2) 生徒指導委員会の充実強化を図ったこと
定期的に委員会を開催し、いじめ防止、登校拒否対策について話し合ってきた。
全職員の一致協力した行動をするに当たって、まことしやかな理屈でもって行動を回避しようとする教師がでないように配慮した。
「いじめることは人間として絶対に許されることではない」という毅然とした態度で指導を行った。
いじめに対して見ているだけの生徒や、一切かかわろうとしない生徒を作らないようにも努力した。
3) 生徒との関係改善を図ったこと
どんなに忙しいときでも生徒と一緒にいる時間の確保に努めた。休み時間の活用と放課後の活用の中で、特に昼休みは生徒の大好きなバスケットボールを取り入れ、教師チーム対生徒チームで連日試合を繰り返し汗を流した。教師チームが生徒に遠慮せず完ぺきな勝利を収め続けたことが生徒たちの気分を盛り上げる結果になり、関係を改善するのに大いに役立った。
4) 保護者に呼びかけたこと
学校で実施したこと・生徒たちの様子・教師の指導の様子等を保護者に正しく理解してもらうために「学校便り」を定期的に発行した。
また、お互いの理解を深める意味で保護者との懇談も繰り返した。
5) 家庭訪問をしたこと
登校拒否をしている生徒には家庭訪問を繰り返し、その生徒が友達に対して抱いている恐怖感や不安感を取り除く努力をした。そしてまた教師がその生徒の味方であるという強い信頼関係を築きあげていった。
そのおかげで、登校拒否で休んでいたK男が、半年後には、学校に来て用務員が育てている菊栽培の手伝いをするようになり、職員室登校までできるようになった。一ヵ月余りの職員室での学習の後、十月には教室で授業を受けることができるまでになった。そして、この三月には無事高校にも合格した。
″生徒とよく遊ぶ教師=刻に生徒を第一に考える教師≠フ姿が学校改善の原動力になったと考える。
研究実践6)
わが校における
いじめ問題への取り組み
大熊町立大熊中学校
一 はじめに
昨年度、本校でも定期的に「いじめ調査」や教育相談を実施し、いじめ問題の実態把握に努めてきた。また、文部省の緊急アピールを受けて幾度となく職員会議をもち、いじめの早期発見とその対応について検討してきた。
その中で、本校職員が全員で確認したことは、次の二点であった。
(一) 「本校にもいじめがあるのではないか。」という問題意識をもって指導にあたる。
(二) いじめが発生したら、「いじめる側が悪い。」という認識に立って毅然とした態度で臨む。
二 本校のいじめ問題への対応
(一) 「いじめ対策委員会」の設立と事故報告の質的な見直し
(1) 企画委員をもって「いじめ対策委員会」を設立し、週一回定例会を開催して情報交換に努める。
(2) 事故発生時の報告経路を再確認し、どんな小さなことでも報告・連絡を確実に行う。
(二) 教育相談の充実と教員のカウンセリング技術の向上
(1) 相談箱の設置や相談室の整備を図り、気軽に相談できる雰囲気づくりに努める。
(2) 教員のだれもが、生徒一人一人の担任であるとの意識をもって指導にあたる。
(三) 生徒指導の機能を生かした授業の展開と生徒会活動の充実
(1) 自己決定の場が設定され、自己存在感が感得される授業づくりに努める。
(2) 共感的人間関係が醸成され、失敗や間違いが受容される学級の雰囲気づくりに努める。
(3) 生徒会活動やボランティア活動など豊かな情操を培う活動を積極的に推進する。
(四) 家庭・地域・関係機関との連携の強化
(1) 生徒指導だよりや学年通信等