教育福島0187号(1995年(H07)06月)-018page
でいじめ問題についての認識を広めるとともに、それをとおして保護者の意見が反映される場ともなるようにする。
(2) 保健日誌等から問題となることを取り上げて、養護教諭との連携をとりながら、積極的に家庭訪問や電話連絡をすることにより問題の早期発見に努める。
三 おわりに
「いじめを受けた経験のある生徒のうち三十二パーセントがだれにも相談せずに我慢していた」との調査結果が新聞に載っていた。このような現状において、いじめの早期発見のために我々教師が果たす役割は、非常に大きく重要であると思われる。そのためにも、教師一丸となって生徒との信頼関係を醸成するための努力をし、生徒の心の問題に適切に対応できる能力を身に付けるための実践的な研修に努めていきたいと考えている。
研究実践7)
「キラリと輝くひとみを持つ子ども」の育成を目指して
いわき市立渡辺小学校
一 学校の実態
本校は、全校生百二十三名の小規模校である。三方を小高い丘に囲まれた田園地帯で、米作りとハウスによる野菜の栽培が中心の純農村地帯である。近年道路網が整備され、丘陵地帯のリゾート施設建設等による車両の往来も激しくなってきている。
二 生徒指導推進のための基本的な考え方
学校規模の大小や地域に関係なくいじめや登校拒否等生徒指導上の問題が潜在していることを全職員が認識し学級経営にあたる。また、学級の問題は学校全体の問題として対応していく。
三 具体的な手だてと実践
1 児童の自己評価
「キラリと輝くひとみを持つ子ども」を育成するために具体的なめあてを持たせる。
例 二年生から六年生には、
・自分の命は自分で守る。
・何事も最後まで本気でがんばる。
・ひとのためになることを進んでする。
・物を大切に使う。
学校や家庭生活のあらゆる場と機会を通して意識化・行動化できるよう指導し、学期ごとに自己評価させる。また担任も評価し児童とのずれを考察し学級経営に反映していく。
2 学期ごと全員善行賞
子供のよさを積極的に認め、励まし、賞賛することにより自信を持って生き生きと生活させる。全員がもらえるよう学級朝会や帰りの会等でよいことを発表しあう。朝会時には全校生の前で賞賛し意欲づけを図っている。「また春休み(夏・冬)家族が推せんする善行賞を実施し家族の一員としての自覚と目的を持った安全な生活ができるよう配慮している。
3 校長講話
月、土曜日の朝会時の校長講話を重視し、年間を通して「キラリと輝くひとみを持つ子ども」になるための具体的な話や道徳性を高める話を継続して行っている。
4 校長室だより(職員)、学校だより(職員・保護者)の発行
学習指導や管理面、生徒指導等学校経営について校長の考えていることや本校の課題について昨年度は、七十七回発行した。また、ピグマリオン効果やしつけ等について保護者に協力を求め十二回発行した。
四 まとめ
小規模校の特性を積極的にとらえ、学校・家庭・地域社会との連携を重視し実施している。いじめを単独でとらえるのではなく、学校経営全体の中で教育目標とのかかわりから考えている。今日も職員と力をあわせささやかな実践をしている。一人一人の子へ目くばり・気くばり・心くばりを大切にしながら…。