教育福島0187号(1995年(H07)06月)-039page

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自作教材・教具の開発に関する研修の状況及び意識

1) 研修受講の有無

教材・教具の作製に関する研修に絞って設問したため、「研修したことがある」と回答したのは、二七七名(32%)と少なかったものの、その中の63%が当センターの「教材・教具実技研修講座」を中心とする研修講座でした(図4)。

このことから、当センターでの研修講座のさらなる充実と、受講者による伝達講習などの校内研修等で研修内容を広めることが大切であると思われます。

 

2) 希望する研修の内容

「今後どのような研修を希望するか」については、具体的な分野別の教材・教具の研修や実技の研修を希望している者が半数を超えていました。回答の中には、「教材・教具をただ作るのではなく、授業を参観し、具体的な場面でどのように教材・教具を活用しているか知りたい」とか、「地域の養護学校を研修の場にして教材・教具の研修をしたい」など貴重な意見もありました。

具体的な研修項目を挙げた一二八の回答のうち、『盲・聾・肢・病』では回答の75%、『精神薄弱』では46%がコンピュータの研修を希望しています。『盲・聾・肢・病』ではいわゆる「準ずる教育」の教育内容に関するニーズや重複障害児への代行や補助としての活用という回答が多くありました。これらの背景には、当センターの各講座の中で「コンピュータの活用」について演習を実施していることや過去三年間のコンピュータの活用についての研究成果が少なからずあるものと推測されます。

また、『精神薄弱』では、「生活単元」と「養護・訓練」に関する研修希望が合わせて44%とかなりの割合を占めています。

『特殊学級』では、養護・訓練を除いて全体的に割合が分散していますが、教科に関する研修希望が比較的多くなっています。これらは、それぞれの学校の児童生徒の実態とそれに応じた教育内容、方法等が結果に反映しているものと思われます。

 

三、おわりに

一年次の研究ということで、研究計画の立案、理論研究等に時間を費やし検討を加えました。アンケート調査依頼の時期が、二学期末の慌ただしい時期であったにもかかわらず先生方には丁寧な回答を多数寄せていただきました。今回、回答者の多くからいただいた貴重な意見や要望に応えるため、さらに研究を進めていきたいと考えています。

 

図1 自作教材・教具作製の有無

 

図1 自作教材・教具作製の有無

 

図2 本や資料を読んだ有無

 

図2 本や資料を読んだ有無

 

図3 作製したことのない理由

 

図3 作製したことのない理由

 

図4 研修の場所

 

図4 研修の場所

 

図5 学校種別「研修希望内訳」

 

図5 学校種別「研修希望内訳」

 

 

 


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