教育福島0187号(1995年(H07)06月)-046page

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教育相談事業の充実

全管内に学校アドバイザーを設置 義務教育課

 

いじめや登校拒否をはじめとする児童生徒の問題行動は、依然として跡を断たず、児童生徒の心身の発達に重大な影響を及ぼしています。県教育委員会では、これまで、いじめや登校拒否など、学校生活に不安や悩みを持つ児童生徒や保護者に対し、「ふれあい教育相談」や「巡回面接教育相談」を展開し、解決に向けた積極的な取り組みをして参りました。

電話相談の「ふれあい教育相談」では、昨年度は、計五百二件に及ぶさまざまな相談を受けました。これは、平成五年度より約八十件多い件数であり、小学校は「登校拒否」(五十九件)、「いじめ」(五十一件)、「学校への不満」(二十六件)など、中学校では「登校拒否」(六十五件)、「いじめ」(三十三件)、「友人関係」(十九件)などが多くなっています。

「巡回面接教育相談」は、三年目を迎え、登校拒否対策には、欠くことのできない制度として定着しています。各教育事務所の計画のもと、教育相談員が直接学校を訪問し、相談、指導・助言を行いますが、昨年度は、年間四百五十六件の訪問相談を実施しました。

このような事業を推進する中で、各学校においても、教育相談の充実が見られ、児童生徒一人一人の悩みや問題をしっかりと受け止め、学校全体で、指導・援助していく体制が確立されてきています。今後とも、学校、家庭、地域及び関係機関が、手を携えて、組織的に児童生徒を指導・援助していくことが大切です。

教育相談は、相談員が指導・援助し、相談者の悩みや問題を解決するというねらいとともに、相談を通じて、相談者自身が自己を見つめ、自力で問題解決していくきっかけになるという機能もあります。

したがって、教育相談等により、児童生徒がそれぞれの悩みや問題を相談できる機会や場を、数多く準備することは極めて大切なことと言えます。

昨年来、全国で発生しているいじめは、人格の形成を阻害する重大な問題であり、本県でも、いじめを緊急の課題と受け止めています。このような状況を踏まえ、県教育委員会では、今年度から「いじめ問題対策事業」を展開することとし、その中核として、これまでの「ふれあい教育相談」を拡充・発展させた「学校アドバイザー」による教育相談を新設しました。

県内各教育事務所に二名ずつ、計十四名の学校アドバイザーを配置し、電話相談「ダイヤルSOS」による相談と、直接、学校に出向いて面接、指導・助言をする訪問活動を行います。学校アドバイザーとしては、専門的立場から適切に指導助言できるよう、臨床心理士や教育経験者を委嘱しました。

 

図1

 

一日より開設し、毎日、いじめを中心とするさまざまな相談に応じております。

 

学校アドバイザーによる「ダイヤルSOS」は、今年四月一日より開設し、毎日、いじめを中心とするさまざまな相談に応じております。

左のグラフは「いじめシール」(図1)を配布し、今年二月から「ダイヤルSOS」を試行した結果です。いじめに関する相談が急増しており、事業推進による効果が期待されます。

県教育委員会といたしましては、今後とも県内の教育相談関係機関が行う教育相談等との一層の連携を図り、「学校アドバイザー」の教育相談機能の充実を図ってまいります。

 

平成6年度いじめの相談件数の推移

 

 

 

 

 


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