教育福島0188号(1995年(H07)07月)-007page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

 

平成6年度学校カウンセラー(上級)発表会

 

平成6年度学校カウンセラー(上級)発表会

 

別活動」の三領域が相互に補い合い、教育効果の促進を図ってきた。しかし各教料や特別活動にもそれぞれ独自の教育目標や指導内容があり、心の教育も自ずと限界があり容易ではない。

また文部省の「道徳教育推進状況調査」によると、道徳学習に対する子どもたちの反応「楽しい、興味関心がある」には、小学生低学年八四・一%を最高に中学三年生一七・五%まで、直線的に減少して、人間としての生き方在り方の学習の重要性とは裏腹に、現実的な指導のむずかしさを投影している。

臨教審答申以来十年、生涯学習体系への移行の理念も、学校週五日制月二回実施を序曲に完全実施に向け、急速に生涯学習パラダイムへの転換がすすむことが予想される。

いま課題の人間形成を望ましい形ですすめるためにも、知識中心になりがちな学校内だけでの教育から、家庭や地域と学校が手を携え、大自然や地域の文化財及び人材を活用して、社会体験や生活体験などを通した学習をすすめることが望まれる。

何が正しいか、どうすることが周りの人にとって良いことかなど、常に心の葛藤の中で生活している。このような社会体験や生活体験の葛藤を乗り越える中で、自己探究や生命への畏敬の念、社会連帯の精神などが養われ、道徳的実践力も高まるものと思われ、その最良の教材がボランティア活動と考えている。

人は自分の望むように生きたいと願う。しかし心の深層には他人のために役立ちたいと望んでいる。この二つの心理は人間本来のもので、成長途上の青少年も同様である。ボランテイア教育を学校教育へと提唱したA・デイクソ博士は″少年は、必要とされて大人になる≠ニ言い切っている。

兵庫県教委は平成八年度から選択料目「ボランティア実践」を設け、単位として認定する。それは阪神大震災での青少年の活躍と、自主活動の更なる促進がねらいである。すでに六年から他県の二校も「ボランティア実践」の履修を行っている。

 

【著者紹介】

永山三郎・ながやまさぶろう

〔略歴〕

昭和 十五年 郡山市富久山町生まれ

三十三年 福島県立安積高等学校卒業

三十七年 中央大学工学部電気工学科卒業

三十七年 石川島造船株式会社入社

三十九年 福島県立白河農工高等学校教諭

四十九年 福島県立郡山西工業高等学校教諭

五十二年 福島県立郡山北工業高等学校教諭

五十五年 福島県教育センター指導主事

五十七年 福島県教育庁高等学校教育課指導主事

六十一年 福島県立平工業高等学校教頭

六十三年 福島県教育庁高等学校教育課管理主事

平成 二年 福島県立清陵情報高等学校校長

五年 現  職

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。