教育福島0188号(1995年(H07)07月)-008page

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特集 学校教育の推進

新しい教育活動の積極的な展開のために

義務教育課

 

はじめに

 

県教育委員会は、平成七年度の重点施策の柱に「社会の変化に主体的に対応できる心豊かでたくましい児童生徒の育成」を掲げ、この実現のため小・中学校教育については、次の五点を重点施策として推進することとした。

1) 個性を生かす教育の充実等教育課程の改善充実

2) 学力向上施策の推進

3) 情報化・国際化社会の変化への対応

4) 生徒指導の充実

5) 月二回の学校週五日制への対応

これらの施策を円滑に実施し、学校教育を一層充実させるためには、各学校において、学習指導要領の趣旨の実現を図るよう新しい教育活動への積極的な取り組みが求められる。

そのためには、以下のような内容について一層理解を深め、自校の実態に即して積極的な教育活動の展開の方策を講じていく必要がある。

 

一、心の教育の充実

 

社会の変化に主体的に対応できる能力や人間としての生き方、在り方について自覚を高め、豊かな心を持ち、たくましく生きる人間を育成することは、学校教育の重要な使命の一つである。そのために、特に次の七点に配慮することが大切である。

1) 真理を求める心や自然を愛し美しいものや崇高なものに感動する心を育てること。

2) 生命を尊重する心や他人を思いやる心を育てること。

3) 感謝の心や公共のために尽くす心を育てること。

4) すこやかな精神と身体を育てること。

5) 基本的な生活習慣を身に付け、自らの意思で社会規範を守る態度を育てること。

6) 自律・自制の心や強靭な意思と実践力を育てること。

7) 自ら生きる目標を求め、その実現に努める態度を育てること。

このため、各教科等においては、主体的に学習する力を育てる教育を充実するとともに体験的活動をとおした学習が一層望まれる。

また、道徳教育の充実のために、道徳の時間を中心に、各教科、特別活動など学校教育全体の指導をとおして心の教育を充実しなければならない。各学校では、子供たち自らが考え、主体的に判断し、行動できる資質や能力の育成を重視することの重要性を再認識し教育の課題解決に努めなければならない。

 

二、基礎的・基本的内容の指導の徹底と基礎学力の向上

 

社会の変化に主体的に対応できる心豊かでたくましい児童生徒を育成するためには基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせると共に個性を生かす教育の充実を図って行かなければならない。

基礎学力向上のためには、児童生徒一人一人がそのよさや可能性を生かし、知識・理解、技能を獲得し、それらをその後の学習に活用できるような学習活動を積極的に進めることが求められている。そのため教師は、児童生徒が思考力、判断力、表現力等を駆使して主体的に学ぶことができるように支援するための指導力を身に付けておくことが大切である。

また、指導目標、学習過程、教材、学習活動等、学習指導全般にわたって基礎学力向上のための指導を工夫する必要がある。以下は、基礎学力向上のための授業展開の視点である。

〔基礎学力向上の視点〕

1 授業を構想するに当たって

(一) 児童生徒の実態を把握する

ア 児童生徒の発達段階、学習速度、習熟度、学習体験や興味・関心の度合いなどの実態を、日常の授業の観察、諸調査や検査、評価等を通して把握する。

イ 児童生徒の一人一人のよさや可能性を学習や生活での態度や様子から把握する。

 

 

 


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