教育福島0188号(1995年(H07)07月)-009page

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(二) 目標を設定する

ア 児童生徒が獲得すべき知識・理解・技能を明確にした指導目標を設定する。

イ 観点別学習状況の四つの観点間の関連性に十分配慮し、情意面と認知面が相互に作用するよう設定する。

ウ 学習の系統性、発展性に配慮して設定する。

(三) 指導計画を立案する

ア 知識・理解、技能が確実に定着するよう、単元の配列、時数配当教材の配置等を適切に行う。

イ 児童生徒の思いや願いに応じられるよう、複数の学習活動の展開を考えるなど、弾力的な指導計画にする。

(四) 教材を工夫する

ア 内発的な学習意欲を喚起する教材を開発する。

イ 知識・理解、技能を確実に身に付けることができる教材を選択する。

ウ 児童生徒の多様な実態に応じるために、複数の教材を用意する。

2 学習活動を展開するに当たって

(一) 学習過程を工夫する

ア 意欲的、主体的に取り組めるよう、弾力的な学習過程を組織する。

イ 身に付ける知識・理解、技能の定着を図る手だてを明確にする。

ウ 学習の目あてや課題を明確にし、解決の方法や見通しが持てる授業を展開する。

エ 導入での意欲づけ、授業終了のまとめ(定着)の工夫をする。

オ 定着のための練習活動等を計画的に位置付ける。

(二) 学習活動を充実する

ア 学習効果を高めるために必要となる学び方の習得を徹底する。

イ ティーム・ティーチングをとり入れるなど、一人一人の学習状況に応じた指導ができるような工夫をする。

ウ 学習して獲得した知識・理解、技能が活用できたり、その力を発揮できる機会や場を設定する。

エ 問題解決的な学習活動や体験的な学習活動を積極的に取り入れる。

オ 学習形態の工夫や機器の活用を図り、効果を高める。

(三) 評価を工夫する

ア 児童生徒一人一人の知識・理解、技能の定着の度合いを的確に把握する。

イ 学習活動の成果としての知識・理解、技能の定着の度合いを的確に把握する。

ウ 評価の観点を明確にして個に応じた援助を行う。

エ 児童生徒が自己評価や相互評価を行う能力を高める。

 

三、自己教育力の育成

 

これからの学校教育では、児童生徒が心豊かで主体的、創造的に生きていくことができる資質や能力の育成を目指している。このような教育を実現していくためには、児童生徒の内発的な学習意欲を喚起し、自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力を学力の基本とする新しい学力観に立つ学習指導を展開していくことが必要である。

新しい学力観に立つ学習指導では、一人一人の児童生徒がそれぞれのよさや可能性を生かしながら新しい課題に進んでかかわり、自分で考えたり、判断したり、表現したり、活動したりすることを中心にして展開することが重要である。

児童生徒のよさや可能性は、教材のよさとともに教師や他の児童生徒のよさとかかわりながら高められ、豊かに育っていくものであり、学習活動をはじめ、学校生活全体にわたって、児童生徒と教師、児童生徒相互の人間関係を豊かにして相互のよさに共感し合うことができるようにすることが求められる。このような積み重ねの中で児童生徒は自分のよさがわかるようになり、それを進んで発揮し、よりよく生きていこうとする意欲や態度が育っていくものと考えられる。

教師や児童生徒のよさを生かす工夫についての具体的な視点は次のとおりである。

(1) 学習指導をはじめ、学校生活全体にわたり、児童生徒のよさを生かすようにする。

(2) 学級における他の児童生徒、異年齢の児童生徒や他の学校の子供のよさとのかかわりを重視する。

(3) 家庭や地域社会の人々のよさを生かすよう工夫する。

これからは、児童生徒が家庭や地域社会に積極的にかかわり、豊かな人間として生きていくために必要な資質や能力を身に付けるようにすることが求められている。

そのためには、地域の社会人などに対し、学校の教育活動への協力を要請するなどして、地域社会の人々のよさを子供たちの望ましい人間育成のために生かすことが大切である。また、子供たちが、家庭や地域社会において親や大人と豊かな体験をする場や機会をとおして、これらの人々とのかかわりを深めることが望まれる。

このような取り組みを進めることは、学校と家庭や地域社会が一体となって子供を育てることにつながり、学校週五日制の趣旨も生かされ、新しい学力観に立つ教育の実現が一層図られることが期待される。

 

四、文化と伝統の尊重と国際理解の推進

 

国際化が一層進展する中にあっ

 

 

 


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