教育福島0189号(1995年(H07)09月)-026page
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先輩教師の力と謙虚に受け止め、さらに教えを請い、日々研鑽に努めなければならない時期だと思うのです。
「五年目からは自分の力」。これは、五年目からは、今まで先輩教師から吸収したことを工夫して、自分流の教育活動を行う時期であるという意味でしょう。この時期から、初めて教師としての評価が自分のものになるのだと思います。
「十年目からは下の力」。十年目からは、後輩の仕事にも目を向け、良い教師になるための模範となるように努力すると同時に、援助を行ったりする時期なのでしょう。
間もなく教職十年目を迎えます。ここ一・二年の間に、進路指導主事、生徒指導主事などを経験し、まさしく「十年目からは下の力」を身を持って感じています。先輩教師の豊かな経験と企画力・指導力を謙虚に学びつつ、後輩の先生方の意欲と情熱を引き出し、行動力を結集して、学校経営の推進役を努めるのが「中堅教師」の役割であろうと考えます。これからが本当の意味での「中堅教師」の役割を果たす時期です。自分の任務を忠実に果たすと同時に、後輩にも気を配り、よき相談相手として、よい影響力を与えられる教師として日々努力していかなければと考えています。そして、かつて先輩から言われたように、「五年目までは周りの力、五年目からは自分の力、十年目からは下の力」このことばを後輩にも伝えていきたいと思います。
(須賀川市立第三中学校教諭)
A先生
大和田恭子
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教職について七年目。この間、いろいろな場で多くの方々と出会ってきたが、その中でも今も心に強く残る出会いがある。
教職一年目。期待よりも不安が大きく、これから自分は、教師としてやっていけるのだろうかと思っていたころだった。そんな初任者の時に出会ったのが、A先生である。
A先生。小さな体で丸い顔に眼鏡をかけ、その眼鏡の奥の細い目がいつもにこにこ笑っている。一見、先生というよりは、どこにでもいるおばちゃまといった感じの女性である。そうした外見のため、初対面での印象もこれといってなかったが、同僚の先生方、特に若い先生方が大変頼りにしているようだという感じを受けると同時に、どうしてその先生に人気があるのか不思議でもあった。
しかし、A先生と一緒に仕事をするようになって一週間もたたないうちに、私自身も、他の先生方と同様に、A先生を頼りにするだけでなく、「こういう先生になりたい。」という理想のようなものを感じてしまったのである。
そうしたものを私に感じさせた理由はいろいろあるが、ひとつは子どもに対する接し方である。子ども一人一人に向ける温かい目、子どもの目の高さ(立場)に立った物の見方、考え方、熱心な教材研究等々大学では実際に教えてもらえなかった多くの事をA先生から教わった気がする。
もうひとつ、私が今でも忘れられない事がある。それは、初任者の私が失敗する度に励ましてくれた時の言葉である。
「先生達若い人は、初めてでそんなにできるんだから、大したものよ。私なんか、今初任者だったら、務まらないわ。」
人間やはり、ほめられれば、悪い気はしない。たとえお世辞とわかっていても、その言葉に何回となく励まされたものだった。
残念ながら、A先生とは、一年間しか一緒に勤めることができなかったが、A先生から学んだことは、今も自分の中で大いに役立っている。
先日、久しぶりにA先生とお会いしたが、今はご退職され、何と英会話を習っておられるとか。
「今が、私の青春なのよ。」
教師としてだけでなく、今では、一人の女性として、私の人生の理想の人である。
(東和町立上太田小学校教諭)
子どもの笑顔に魅せられて
大原幸枝
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ある年の入園式の朝、「先生、しば
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