教育福島0189号(1995年(H07)09月)-044page
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養護教育センター通信
障害のある子どもの理解のために
ことばの遅れ
はじめに
教育相談などをとおして、お母さんがたから、次のような声を聞くことがあります。
「この子は、三歳にもなるのにまだ話せないんです」「うちの子は、身体は他のお子さんより大きいのに、きちんと発音できません」「私の子は、話しかけられるとこたえますが自分からはあまり話さないんです」
お母さんは、子どもの一番近くにいるので子どものいろいろなことが見えてきます。その中には他の子と比べて心配になるようなこともあるのでしょう。子どもを持つ親ならば、自分の子どもがすくすくと成長しているかどうかとても気になることです。
ここでは「ことばの遅れ」について考えていきます。
一、子どもの生活とことば
ことばには大きく二つの働きがあるといわれています。1)コミュニケーションとしての「ことば」2)ものを考えるための「ことば」3)行動を調整するための「ことば」
このように「ことば」は私たちの生活の中で大切な働きをしているのです。
さて、前に述べたお母さんたちの心配は、「ことばの遅れ」だけなのでしょうか。子どものことばについて心配しているお母さんによく話を聞いてみると、「うちの子は動作が鈍いようだ」、「他の子と比べて落ち着きがないようだ」、「どうも友だちとうまく遊ぶことができない」など、ことばの遅れ以外の心配もあることがあります。
どうも「ことばの遅れ」は、単純にことばが遅れているというだけではないようです。ことばの発達は、ことば以外の発達と大きく関係しているようです。
二、ことばの発達
ことばは、ひとりで発達していくものではありません。子どもの成長とともに自然にことばが生まれ、育っていくのではないのです。もし、子どもが生まれてから誰ともかかわりをもたないで生活していたとしたらどうでしょう。そこに、ことばは生まれるでしょうか。
ことばは周囲の環境、特に周囲の人とのかかわりの中で生まれるのです。子どもは人とのかかわりの中でことばを学び、自分のものとしていくのです。特に、ことばは乳幼児期にめざましい発達をとげます。その発達は、おおよそ次のようなものです。
子どもが生まれて、3か月ぐらいになると「ブッブッ」、「アーアー」など泣き声以外の声を出すようになります。これは、喃語といわれるものです。
そのあと、8か月から1歳6か月頃になると、「マンマ」、「パーパ」など話し出します。
また、1歳6か月頃には、「ママ」、「パパ」、「オブ」など単語を話すようになります。
そして、2歳前後になると「ブーブ、ハシ
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