教育福島0190号(1995年(H07)10月)-031page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

2) 高等学校教育

 

高等学校教育課では、生徒の進路希望の実現のために「学力向上ステッププラン事業」を行っています。また、平成五年六月に出された県学校教育審議会の答申を尊重し、国際化、情報化等の社会の変化に対応した高等学校教育の改革に取り組んでいます。

 

「学力向上ステップアッププラン事業」の推進

 

県教育委員会では、生徒の進路に応じた確かな学力を身に付けさせるために、平成三年度に「進学推進調査検討会議」を設置し、広く県内各界各層の方々に進学推進のための検討をお願いし、学力向上に関する「提言」をいただきました。

この「提言」を受けて、平成四年度から高等学校においては、一層の学力向上と大学等への進路希望実現を図るため、「学力向上ステップアッププラン事業」をスタートしました。

《事業の概要》

この事業では、進学希望者数の多い高等学校の中から、

平成四年度には福島高校等十一校

同 五年度には湯本高校等 七校

同 六年度には田村高校等 四校

の計二十二校を進学推進対象校として指定し、次のような事業を行い成果を上げています。

 

一 高等学校入学者選抜学力検査結果の分析と活用

・進学推進対象校における入学者の学力検査の実態を分析し、その結果を活用して指導に役立つ項目を手引書にまとめ、全ての高等学校・中学校・教育委員会に配布しました。

・前述の分析結果を、中学校・高等学校連携会議等で活用し、中・高連携の一層の強化と、それぞれの学校の実態に即した指導法の改善を図るために役立てました。

 

二 進学推進対象研究協議会の設置

・対象校二十二校から、校長・進路指導担当者等が出席して、六月と十一月の年二回研究協議会を開催しました。

この会議では、各学校の進路指導の状況やノウハウについての情報交換、進学実績の高い高等学校の関係者を招いての講演会を実施しました。

この会議での協議等を参考に、各校では進路指導体制を充実させることができました。

 

三 進学推進モデル事業

・対象校二十二校がそれぞれの学校の実態に応じた次のような事業を行い、それぞれに成果をおさめました。

(一)教員の他校視察研修

教員の意識啓発、指導技術の向上、校内研修の活性化

(二)進路講演会

進路意識の早期確立、在り方生き方についての理解の深化

(三)学習合宿・課外事業

学習習慣・自己教育力の確立

(四)指導資料・教材の作成

中・高のブリッジ教材の開発や三年間を見通した各教科のマスタープランの作成

(五)中・高連携会議

各学校ごとの開催による、県内ほとんどの中学校との連携強化と相互理解の深化

 

(六)各学校の創意工夫に基づく事業

 

(六)各学校の創意工夫に基づく事業

教育課程の研究・改善

 

七年度からの新規事業の実施状況

上記一〜三の事業の成果を踏まえ七年度から新たに次の(一)〜(三)の事業をスタートしました。

(一)英数学力向上研究協議会の開催

・英語・数学の学力向上を図るため、英数学力向上研究協議会を開催し、本県の英語・数学の学力の分析と指導法の研究協議を行う。

(二)基礎学力向上推進事業

・基礎学力の定着を図るため、進学推進モデル事業の成果を踏まえ対象校が実態に応じて事業を工夫して行う。

(三)進学情報収集・提供事業

・情報紙「PASS」を発行し、モデル事業の成果や先進県の取組み等の進学情報を提供する。

八月に文部省から発表された「学校基本調査」によりますと、本県の大学進学率は着実に上昇しているものの、志願率が全国的に低位にあるため、全国の上昇率に追いつけない状況にあります。

今後は、この事業を効果的に推進することによって学力を向上させ、志願率とともに進学率上昇を目指していきます。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。