教育福島0190号(1995年(H07)10月)-033page

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3) 養護教育

 

養護教育の推進

 

養護教育課では、心身に障害のある児童生徒の適正な就学を推進し教育機会の拡充を行うとともに、教育内容・方法の改善充実、生徒指導・進路指導の充実、教育諸条件の整備充実に努めております。

また、県内の小学校、中学校の通常の学級には、心身に軽度の障害のある児童生徒がかなり在籍していると予想されます。

集団への適応が十分でなく、何らかの個別のかかわりを必要としている児童生徒について、具体的にどう対応したらいいのか日々指導に大変苦慮しているという声も、聞いております。

そのため、通常の学級で心身障害児を担当する先生方に心身障害児を理解し、適切な指導を行っていただくために、平成五年度から県内の盲・聾・養護学校を会場としてセミナーを開催してきました。

では、その事業の取り組みについて、紹介したいと思います。

 

軽度心身障害児指導法セミナー

 

一 セミナーの目的

次の二つの目的で行っています。

(一)軽度の心身障害児を担当している小・中学校の通常の学級を担任する先生方に、心身障害やその援助の方法について理解してもらう。

(二)盲・聾・養護学校の教育について理解と啓発を図る。

 

二 セミナーの概要

五月から六月にかけて県内の六つの養護学校を会場に、一九六名の受講者の参加を得て実施しました。

各地区同じ内容で行っております。

その内の一つ、県中地区の先生方を対象にあぶくま養護学校を会場に行ったセミナーの内容を紹介します。

(一)小学部・中学部の授業参観を行いました。

 

○小学部二年三組 生活単元学習

 

○小学部二年三組 生活単元学習

「スゴロクゲーム〜いくつかな?」

○小学部四年一組 生活単元学習

「『あ・い・う・え・お』をさがせ!〜あいうえお博士と遊ぼう〜」

○中学部 一年 数学

「買い物学習」

(二)教務主任の先生から「養護学校の指導の実際」についての講話をいただきました。VTRを使って、日頃の指導の様子と指導の意図について紹介していただきました。

(三)午後には、受講者が担当している事例についてまとめた資料をもとに、三つのグループに分かれて研究協議を行いました。

(四)最後に一日のまとめとして、養護教育課指導主事より「軽度心身障害児の理解と援助」のテーマで講義を行いました。

(五)セミナーの資料

各年度ごとにテーマを変えて、セミナー用資料を作成しています。

平成六・七年度は、研究協議で話し合われた問題点を中心に、どんな視点から解決への方向付けを見い出したらよいのか一緒に考えていただく一助となることを願って、分かりやすく事例形式で編集しました。

○平成五年度資料

「心身障害児とのかかわり」

○平成六年度資料

「心身障害児を支える学級集団」

〜一人一人をみつめて〜

○平成七年度資料

「心身障害児への援助」

〜子どもをとりまく人々の協力〜

 

三 セミナーを終えて

 

三 セミナーを終えて

どの地区のセミナー受講者からも、参加してよかったという反省が多く寄せられました。中でも、盲・聾・養護学校における個に応じた授業の様子や、VTRをとおした実際の指導についての講話が大変好評でした。

受講者の中には、障害の重い児童生徒や障害が重複している児童生徒を担当している先生方もおり、担任としての指導の難しさや悩みが話題となったところもありました。

 

 

 


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