教育福島0191号(1995年(H07)11月)-015page

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福島県吟詠家協会

 

福島県吟詠家協会は昭和五十年一月に設立され、昨年は大きな節目である創立二十周年を迎え、記念大会を郡山市において開催し、盛会のうちに終了することができました。

協会設立の目的は、日本古来の伝統ある詩吟が、歴史的背景から、右翼的な一部の人達の意識高揚の為のものであるとか、又は、「固苦しくて難しいもの」と、一般的に受けとられている現状を少しでも是正していきたい、そして、多くの人達にこの詩吟の本当の良さを知ってもらいたいということです。

そのためには、戦前、戦中、あるいは戦後の一時期まで主流になっていた、ただ単に蛮声を張り上げる、あるいは、節調に関係なく大きな声を出せば良いというやり方から、音楽的にも、又内容的にも一般に受け入れられるものにしようということで、吟詠に童謡や民謡を入れたり、又、視覚に訴えて興味を持ってもらうために、書道吟、画道吟、華道吟あるいは剣詩舞等、変化をもたせる事を心がけて活動して参りました。一時は、「詩吟の精神にも劣る」とか、「堕落させるもの」だとかの批判もあったように聞いておりますが現在各地で行われている大会等の内容を見聞きすると、ほとんどが前述のようなものを取り入れており、そして、詩吟人口も徐々に増えつつある現状に大いに意を強くしているところです。

 

会において「いつかはきっと」の意気込みで、日頃から研鑽に努めております。

 

協会の活動状況についてですが、例年取り組んでいる行事は大きく分けて二つあります。 一つは、毎年七月に開催を予定している日本コロムビア全国吟詠コンクール福島県大会です。場所は郡山市民文化センターで毎年同じ場所で開催しており、本年も、第三十一回の大会を七月二日に実施しました。この大会では、吟詠家協会がそのまま実行委員会に移行しての大会のため、諸準備についてのみ担当し、審査については、コロムビアから派遣される四名の審査員によって厳正かつ公正に行われております。それぞれ年令別に一部から四部までに分け、五部のみ年令に関係なく「和歌、俳句、新体詩」等からなり、毎年年頭に示される課題吟により競うことになります。その結果として、各方部の優勝者がその年の十二月に東京の中野サンプラザホールにおいて行われる全国大会に出場し、全国四十三地区から選抜された代表と覇を競うことになりますが、中々思うような成績をあげられないというのが現状です。しかし、長い歴史と伝統のあるこの大会において「いつかはきっと」の意気込みで、日頃から研鑽に努めております。

なお、県に在住している方であれば、流派等に関係なくどなたでも参加出来ますので、詳しくは当協会事務局等にご照会下さい。

もう一つの大きな行事は、例年県芸術主催行事として実施している「現代吟詠のつどい」です。この行事は、県内各地区で活動している協会所属の各流派が、年に一度一堂に会して、先に述べた設立の目的に沿って、日頃の精進研鑽に努めてきた成果を発表し合い、会員同志の交流を深めると共に、開催地区の住民の方々にも詩吟に対する関心をもってもらうことを念願して開催するもので、割り振られた時間の範囲内で各流派それぞれの特色を出すように取り組むため、多彩な内容の行事となっています。又、地元の名所旧跡を「吟」や「舞」で紹介する「ふるさと讃歌」は、開催地区にいる所属の会員が出場する構成吟ですが、同じ県内に住んでいながら見過ごしていた場所や歴史的な事柄を知ることができたり、その地でなければ知ることの出来ないような細かな事柄を教えられたりと、意義深いものがあります。

今後も、詩吟のもつ基本的なものは守りながらも、老若男女誰れもが気軽に参加出来るような環境づくりと、生涯を通して親しめるものとするため、会員一同一致協力して努力する所存です。

 

福島県三曲連盟

 

福島県三曲連盟は、昭和四十年九月に、福島市の福島県自治会館において創立総会を開催して創立してから、今年で三十周年の節目を迎えることとなりました。

創立の翌年には、福島市公会堂において、福島県芸術祭主催行事として第一回福島県三曲連盟演奏会を開催し、その後は、年一回の定期演奏

 

 

 


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