教育福島0191号(1995年(H07)11月)-031page
授業の組織
(2) 奉仕等体験研究部
○奉仕等体験における教師の支援のあり方の追求
・子どもの思いや願いを生かし、目的意識を持続させ、主体的な活動を促す体験の実現
(3) 家庭・地域社会との連携研究部
○奉仕体験の日常化への啓蒙指導
・家庭・地域社会との連携充実
七、実践例
(1) 体験名「桃花林のおじいちゃんやおばあちゃんを励まそう」
(2) めざす児童像(資料3参照)
(3) 道徳の内容項目との関連(資料3参照)
(4) 体験設定の理由
学校の近くにあり、社会復帰をめざす一時的な介護施設である桃花林のお年寄りの方々との温かい交流を通して、求める子どもの姿を具現したいと考えた。
(5) 体験の実施方法(資料3参照)
(6) 実践の様子
《事前の活動》
いろいろな華々しいイベントを計画するよりも、じっくりとお話をお聞きする時間を多くとることの方が、大切だという意見でまとまった。(今までの体験の反省を生かして)
《本活動》
まず、学習発表会の演技種目だった「ダンス」を紹介した。そのうち多くのお年寄りの方々もダンスに参加し楽しい一時を過ごす。次に、簡単な茶話会を開き、お年寄りの方々の昔話などを興味深くお聞きし、その話題に交流会も大いに盛り上がった。
《事後の活動》
交流会を振り返り、一人一人の老人の方々に礼状を書いて送った。また、今後の活動として、桃花林の運動会の招待を受けたため、どのような参加のし方をすれば喜んでもらえるかを話し合った。
〈資料3〉奉仕等体験学習と道徳の時間との関連表
第5学年2組
1 体験名 「桃花林のおじいさんやおばあさんを励まそう」
2 めざす児童像
思いやりの心を持ち、相手の立場にたってやさしく接することのできる児童
3 道徳の内容項目及び道徳の授業との関連
・内容項目 2-(2)思いやり・親切
・道徳の授業 主題名「温かい思いやり」
2-(2)思いやり・親切 10月中旬実施
八、研究のまとめ
(1) 研究の成果
大きな成果としては、冒頭でも述べた通り、教育活動全体構想に本研究を位置づけて実践に取り組んできたので、体験そのものが常時活動として推進できるようになったことです。以下、端的に成果を述べます。
○道徳の時間と奉仕等体験学習の関連を重視した実践は有効だった。
○子どもの思いや願いを踏まえた教師の支援は、目的意識の持続につながり、主体的な活動の推進に効果的だった。
○家庭・地域社会との連携強化は子どもたちの実践の広がりの上で大きな要因となった。
(2) 今後の課題
子どもたちの思いや願いを多角的にとらえ続け、よりよい実践に向けて生かしていく努力が教師自身に求められています。このことが、すべての教育活動の原点であり、今後の課題でもあります。