教育福島0192号(1996年(H08)01月)-012page

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点の整理→外部講師による説明、というプロセスが効果を高めたと考えられる。

 

→残された問題点の整理→外部講師による説明、というプロセスが効果を高めたと考えられる。

5) 第七時の授業の概要

本時は、「社会的思考・判断」を直接的に促す時間((2)1)ウ参照)である。共通課題確認後、三つの「どのように」型の課題を調べた結果から、「新聞が一日でできる理由」に該当すると思われるものを挙げさせた。児童は、「警察からの事故の連絡」「立派な機械」「配達する人」などを挙げたので、それらがそろえば一日でできるかとなげかけた。その結果、活発な話し合いを通して、高い技術や経験、それぞれの協力、やる気や努力、気配りなどの必要性が順次確認されていったので、最後に共通課題に対する小単元のまとめを書かせて終了した。(協力解決)

(4) 第二小単元の授業の概要

第二小単元は、図4の課題構成をもとに、ディベートや聞き取り調査等の活動を取り入れた。(省略)

 

図4

 

図4

 

五 研究の成果と今後の課題

(1) 授業の様子や児童の評価から

授業中の児童の様子や発表内容、各カードへの記入状況や小単元のまとめ、自己評価カードの記入結果などから判断して、導入した体験や活動及びそれらを位置付けた単元構成は、思考力・判断力・表現力の育成と社会認識の獲得とに有効に機能したと思われる。また、導入した体験や活動に対する好感度を五件法でたずねたところ、すべての体験や活動の平均が四・〇を上まわった。この点からも本仮説の方法論としての有効性が一定程度認められると思われる。

(2) 「精選の仕方の工夫」について

本研究の目的の一つは効果的な精選のプロセスの構築を試みることであった。実際に行ったことを整理すると、図5に示すように、1)導入可能な体験や活動の列挙、2)論理的精選、3)内容的精選、4)形態的精選、の順になる。無論、この順序は確立されたものでははく、精選のための観点や、その基準となる情報の収集の仕方に対する示唆を得たにとどまっているので、さらに検討と改良を重ねなければならない。また、先の好感度調査の結果においては、性差の存在が推定される体験や活動も認められた。そこで、個人差への対応の仕方と併せて、性差も精選のプロ

 

【精選の過程】 【精選の基準】

導入可能な体験や活動の列挙 ・学習指導要領・指導書・教科書・先行実践 ・単元の目標や内容・児童の主体性や活動性・児童の意欲や楽しさ・児童の活発な思考

論理的精選 ・選択した教材や内容に合っているか?・地域の実情に合っているか?・時間や予算の面で可能か?・発達段階に合っているか?・内容的に高度のものはないか?・発展的取り扱いに適するものはないか?・他の体験や活動の補完的なものはない?

内容的精選 ・指導要領の内容目標に合う体験や活動か?・指導要領の技能目標に合う体験や活動か?・指導要領の思考目標に合う体験や活動か?・指導要領の態度目標に合う体験や活動か?・小単元のねらい(数を含む)にせまれるか?・体験や活動の順序や中心をどうするか?・児童の実態(対学習内容)に対応できるか?

形態的精選 ・児童が望む体験や活動と合っているか?・個人差への配慮がなされているか?・性差ヘの配慮がなされているか?

体験や活動の仮決定

図5

 

 

 


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