教育福島0192号(1996年(H08)01月)-013page
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セスに組み入れていく工夫が必要であると思われる。
(3) 「単元構成の工夫」の仮説の有効性について
1) 「なぜ」型の課題と「どのように」型の課題とを組み合わせることの有効性について
新学力観は、思考力・判断力・表現力の育成を重視するが、そのためには、当該単元の新出の知識や情報をどこでどのようにして獲得させるのかについても言及しなければならない。「どのように」型の課題の解決過程でその単元で必要な知識や情報を調べさせ、「なぜ」型の課題を解決する過程でそれらの知識や情報を用いた思考・判断・表現活動を行わせようとする本手立ては、一定の有効性があったと思われる。
2) 個人解決の場と協力解決の場とを組み合わせることの有効性について
思考・判断・表現等の知的活動は、各自の中で個性的になされるべき場合と、集団の中での情報交換を通してなされるべき場合がある。また、具体的な体験や活動は、そのような知的活動を活性化しやすい特徴をもっている。ゆえに、個人解決の場と協力解決の場とを有機的に組み合わせ、そのそれぞれに体験や活動を位置付けた本手立ては効果的であったと思われる。
3) 「思考・判断」の時間を特設したことについて
「思考・判断」の時間の特設は、「なぜ」型の課題と「どのように」型の課題とを結び付け、小単元の中心概念を獲得させる上で有効な手段であった。中心概念が答えとなるような「なぜ」型の共通課題を設定し、その解決に必要な情報を得る活動を「どのように」型の課題に対応させれば、思考力・判断力・表現力の育成と知識・理解事項の獲得とが共存できるのではないかと考える。新学力観は、断片的・羅列的な知識は否定しているが、概念的な理解(社会科の場合は中心概念)までを否定しているわけではない。(図6)
(4) 今後の課題
単元の前後に実施した社会科の学習へのアンケートは、全項目で平均が向上していた。今後は、個人差、性差、自己評価活動の活用等を念頭において実践と考察を継続したい。
新しい学力観における「なぜ」型の課題と「どのように」型の課題との関わり
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図6
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