教育福島0192号(1996年(H08)01月)-015page

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べた。そして、全員の思いを生かすことができる題材として「宇宙探検」を考えた。児童は、自分のやりたいものが何でもできることを知ると、一斉に喜びの声をあげ、様々な表現題が出された。

一方、実践二では「鋭い瞬発的な動き」というテーマを与え、まずその感じが表れる動きづくりをした。そして、高まった動きから表現題をイメージさせた。驚いたことに、同じ様な鋭い動きでもそこからイメージするものは実に様々であった。

2) イメージを膨らませる場面

児童のイメージを、動きにつながるものに膨らませるために、「イメージバスケット」を活用した。(資料1)これには、実際の動きにつながるようにするために次の四つの項目を必ず取り入れるようにした。

 

資料1 イメージバスケット

 

1 場面を文ではなく簡単な絵で表す。

 

1 場面を文ではなく簡単な絵で表す。

2 簡単なストーリーを書き込む。

3 動きの口伴奏を書き込む。

4 自分の気持ちを書き込む。

(2) 一人動きづくりの段階

1) 一人動きのためのイメージ把握の場面

イメージをより具体的にし、さらにそれが動きにつながるように、場面毎に「一人動きイメージカード」を作った。これも、イメージバスケット同様四つの項目から書き込むことにした。(資料2)

宇宙遊泳のイメージを絵に表せないA男や、流れ星の口伴奏が書けないB子などは、実際の宇宙遊泳や流れ星のVTRを見ることにより、絵や口伴奏が少しずつ描けるようになっていった。

2) 評価を生かした動きづくりの場面

実践一での一人動きづくりでは、VTRによる自己評価を中心に動きづくりを進めた。ここでは、自己評価がより的確にできるために必要な動きを見る目を高めるために、「動きづくりのポイントカード」を使用した。これには、動きを見るときの八つのポイントを示し、VTRの画面のすぐ横に置き、児童がそのポイントと照らし合わせて自分の動きを見られるようにした。そして、ポイントの中から自分の動きに足りない点を見つけ、それを次の動きづくりのめあてにしていくことにした。

実践二では、相互評価を中心として動きづくりを進めた。見る観点としては、「動きづくりのポイント」をより細かくした「体の各部位」に見る目を絞り、お互いの動きを二人組で評価させた。

 

資料2 一人動きイメージカート

 

(3) グループ動きづくりの段階

 

(3) グループ動きづくりの段階

1) ストーリーづくりの場面

グループのストーリーづくりでは、〔はじめ〕〔なか〕〔おわり〕の三つの場面の中で、最低一つの場面だけには必ず各自のイメージが入るようにすることを確認して話し合いに移った。

全員が恐竜をイメージしていたA班は、すぐに恐竜と遭遇するストーリーを考えたが、どうしても恐竜の卵を表現したかったB男のために、火山の噴火で卵が温められ赤ちゃんが生まれるというストーリーを工夫した。また、嵐の海、戦い、おいしい料理、楽しい船旅、不思議な生物など、一見ばらばらなものをイメージした児童が集まったB班では、全員の考えをどう生かすかが問題になった。案の定なかなかストーリーがまとまらないでいたため、各イメージ同士のつながりを一つずつ確認し、場面毎に大きく変化をつけたらどうかと助言した。その結果「いかだに乗って海を楽しく旅していたら、突然嵐がやってきて、海の中からタコイカ星人が現れた。タコイカ星人との戦いに勝ち、みんなでそれを料理し、おいしく食べた」という実にユニークで、しかも全員のイメージを含んだストーリーが出来上がった。

2) 動きのためのイメージ把握の場面

前述の一人動きイメージカードの場合と同様、グループの動きでもグループイメージカードを用いた。

3) 動きをつくる場面

各グループ毎に計八台のVTRを使用し、「グループ動きづくりのしかた」から練習方法を選択して動きづくりを行った。動きづくりの中で、友だちの動きについて意見が合わなかった時でも、決して自分の動きを押

 

 

 


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