教育福島0192号(1996年(H08)01月)-016page

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しつけず、動きを見せ合うことでよい動きをつくっていくことにした。

お互いの意見が合わず、なかなか動けないでいるブラックホールグループでは、「見せ合う動きづくり」により相手の良い点に注目するようになったら、今まで否定していた動きを見直し、みんなでその動きを入れて動く姿が見られた。

 

]価したC子も、「前の時間より〜」などと、動きの高まりをよくつかんでいた。

 

この動きづくりでの相互評価には、自分のグループ内で評価するものと、他のグループに見てもらって評価をしてもらう、二つの評価法を取り入れた。恐竜グループのB子は、自分のグループの動きをアドバイスしながら見ていたが、「じゃあ、私はこう動けばいいんじゃない」と、相手の動きを評価することで自分の動きの高まりにつなげていった。また、兄弟グループの動きを評価したC子も、「前の時間より〜」などと、動きの高まりをよくつかんでいた。

四 結果と考察

1 個性を生かした指導について

(1) 表現題の設定で

実践一の自由なイメージからの表現題設定は、児童の今一番やりたい表現題はできたものの、動きの高まりが課題となった。その点、実践二のテーマに沿った動きからの表現題設定では、動きのイメージ化に慣れない児童もいたが、事前に動きを高めてからイメージ化に入ったため、動きの様相がよくわかっており、自分なりの感覚で表現題を設定していた。(2) イメージづくりで

イメージカードについての児童作文には、「自分だけのイメージには欠かせない」「描いていると早くやりたくなる」「本当に〜しているように感じてくる」などと書かれ、カードに描くことによりイメージがどんどん膨らんでいたことがわかる。これは、絵だけでなくストーリーや口伴奏、気持ちなどを記入させたことで、より深くイメージ化でき、さらに自分だけのものという自覚が高まり、自信につながったと思われる。

(3) グループ動きづくりで

グループのストーリーに自分の考えが入ったかどうかを調べると、程度の差はあれ全員が自分のイメージが取り入れられたと答えた。これは、一人ひとりのイメージをよく把握した上でグルーピングしたことに加えて、どんなイメージでも必ず接点があるという考えで支援し、さらに時間を十分与えたためと思われる。

また、自分の動きがグループ内でどのくらいできたかを見ると、ほとんどの児童が自分の動きができたと答えている。(資料3)

 

資料3 グループ内での自分の動き

 

ループ表現で自分のイメージが生かされるようになった結果であると思われる。

 

次に、グループ動きの好き・嫌いについて実践前と後を比較すると、グループ動きの方が好きと答えた児童が大幅に増えた。(資料4)これは、本研究前の児童の実態であった「グループ表現では自分のイメージや動きが生かされない」という問題が改善され、グループ表現で自分のイメージが生かされるようになった結果であると思われる。

2 児童の評価力の変容について

(1) 自己評価と動きづくり

 

資料4 1人動き、グループ動きどちらが好きか

 

1) 自己評価力の変容

 

1) 自己評価力の変容

児童の自己評価カードの文章記述反省内容を見ると、動きのポイントに関わる内容が一番多かった。このことは、児童が動きのポイントを常に意識して取り組み、技能面の自己評価がしっかりできていたことの表れとも思われる。

 

 

 


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