教育福島0192号(1996年(H08)01月)-018page

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個を生かし育む授業の創造

〈一人ひとりのよさを生かす評価の工夫〉

 

郡山市立郡山第一中学校

 

一 研究の趣旨

 

一 研究の趣旨

 

本校では、平成三年度から、新しい学力観に立つ教育への転換をねらいとして、

○観点別評価目標と規準の作成

○自己評価を取り入れた観点別評価カードの作成

○定期テストの見直し

○通信票の改善

など、研究的な実践を行ってきた。

そこで、その環境を生かした授業の改善を図るため、平成六年度から、「個を生かし育む授業の創造」を研究主題として、指導と評価の改善に取り組むことにした。

 

二 研究主題の基本的な考え

 

1 個のよさのとらえ方

個のよさとは「その子らしさ」つまり他と違う自分なりの思いや考え、思考力・表現力などにおける長所や特徴ととらえられる。本校ではそのよさを1)関心・意欲・態度、2)思考力・判断力、3)技能・表現、4)知識・理解の四つの観点を通して見つけ伸ばそうという考えから、評価の観点を「よさの観点」と位置づけた。

2 個のよさを生かし育む学習活動

個のよさを生かすには、生徒一人ひとりが自らの学習課題に基づいて自分なりの方法で学習し、自分で結論を導き出せるような学習活動を展開することが大切である。

このような生徒主体の学習活動では、課題設定や追究・解決・発表など様々な場面で個のよさが現れる。したがって、生徒を主体とした問題解決的学習の過程を踏ませ、よさや可能性を十分に発輝させる中で、教師が生徒のよさに対して声をかける肯定的な評価と支援的な指導を行えば、生徒は成就感や達成感を味わい、新たな内発的動機づけによって次の学習に取り組んでいく。この学習サイクルを積み重ねることが、個のよさを生かし育むことになると考えた。

3 個のよさを生かし育む評価

この学習サイクルを進めるには、学習の主体者である生徒が自らの学習活動を振り返ってよさを発見し、それを後の学習や生活に生かそうとする「自己評価能力」が必要である。この自己評価能力に支えられた学習サイクルを踏んでこそ、真の意味で、個のよさを「育む」ことになると考えた。そこで、生徒の自己評価能力を育てるための評価活動はどうあればよいかを研究の視点とした。

 

三研究仮説(資料1)

 

自己成長を促す次の支援を行えば、自己評価能力が高まり、個のよさを育む学習活動が持続できるであろう。

1) 生徒自ら評価目標を定め、ねらいをもって学習に取り組めるようにする。

2) 自己・相互評価活動を取り入れ、自らを振り返ってよさを見つけ、成就感・満足感を味わいながら、自分の学習活動を改善できるようにする。

3) 教師からの評価を適切に生徒に与え、自己評価活動を支援する。

 

資料1 構想図

 

 

 

 

 


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